達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

両漢

「曲礼」について(下)―『礼記目録後案』より

続きです。「曲禮」についての考察が進みます。 【第三節】 ①按「曲禮」之名見于《禮器》、曰「經禮三百、曲禮三千」、而《中庸》作「禮儀」「威儀」。鄭君以禮經為《周官》、曲禮為《儀禮》、蓋尊尚《周官》以成三《禮》之名。 然《周官》戦國之書、不成于…

「曲礼」について(上)―『礼記目録後案』より

『礼記』は経書の一つですが、成立過程が複雑であり、全体で体系だった書になっているというわけではありません。『礼記』を構成する四十九篇のなかには、祭祀に関する「祭法」「祭義」、喪服に関する「喪服小記」「服問」、子思学派の著作とされる「中庸」…

『後漢書』の来歴(2)

前回の続きです。『後漢書』に関して、余嘉錫『四庫提要辨證』の説を見ていきましょう。 『四庫提要辨證』史部一・後漢書一百二十卷 ①嘉錫案,『梁書』劉昭傳云「昭集後漢同異,注范曄書,世稱博悉。出爲剡令,卒官。集注後漢一百八十卷。」不言曾注司馬彪志…

『後漢書』の来歴(1)

今回は、余嘉錫『四庫提要辨證』史部一の『後漢書』の条を読んでみようと思います。余嘉錫に導かれながら、『後漢書』の複雑な来歴を整理してみようという算段です。 『四庫提要辨證』は、『四庫全書総目提要(四庫提要)』の各条に対して補訂を加えたもので…

齋木哲郎『後漢の儒学と『春秋』』について(1)

最近、斎木哲郎『後漢の儒学と『春秋』』(汲古書院、2018)の第六章「鄭玄と何休の『春秋』論争」を読んでいたところ、色々と気になる記述にぶつかりました。そのうちの一部をご紹介します。鄭玄の文を読むのは非常に難しく、あまり自信はないのですが…。 …

2019年中国学の新著紹介!

年の瀬も近くなってまいりましたが、今年も中国学界隈から、多数の良著が出版されました。そのうち、高い質を備えながらも、初学者でも気軽に読めるような本をピックアップしてご紹介いたします。 私自身が入手して読んだ本に限定して紹介していますので、他…

広島大学の動画「中国思想文化学入門」を見て自分で勉強をしてみたくなった人のための参考書

lHiCE003: 中国思想文化学入門 Twitterで上記の動画(HiCE003: 中国思想文化学入門、広島大学が公式に公開している有馬卓也先生の講義)を紹介したところ、予想外に多くの反響がありました。この動画は、先秦から漢代にかけての「天」と「命」に焦点を当てな…

池田秀三「馬融私論」―論文読書会vol.5

※論文読書会については「我々の活動について」を参照。 ※本論文はオンライン上で公開されています。 池田秀三「馬融私論」(『東方學報』人文科学研究所、1980) 【要約】 馬融と鄭玄が師弟の関係にあったことはよく知られているが、実際に鄭玄『周礼注』を見…

松島隆真『漢帝国の成立』―論文読書会vol.3

※論文読書会については、「我々の活動について」を参照。今回は、「膨大な先行研究をどうまとめて文章にするか」という技法を学ぶ目的だったので、要約は手薄です。 松島隆真『漢帝国の成立』松島隆真『漢帝国の成立』・序論(京都大学学術出版、2018) 【要…