達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

孟子

仁義とは結局なんだったのか?という初歩的すぎる問題-『孟子』を読む-(3)

前回、孟子は民衆の負担を考えずに戦争を好む恵王を厳しく批判し、自身の考える理想の政治について熱くかたりました。 孟子の熱い演説に押されて、恵王は少し弱気になり始めます。 〔原文〕 梁惠王曰「寡人願安承教。」 孟子對曰「殺人以梃與刃、有以異乎。…

仁義とは結局なんだったのか?という初歩的すぎる問題-『孟子』を読む-(2)

前回は、国を運営する上では利よりも仁義を優先するべきだと説いた話。それから、民衆の支持があってこそ国は成り立っているという話でした。今回も、孟子と梁の恵王の対話が続きます。 孟子に、民衆の支持が重要だ、と言われた恵王は、民衆の支持について孟…

仁義とは結局なんだったのか?という初歩的すぎる問題-『孟子』を読む-(1)

「仁義」という言葉は、誰でも聞いたことがあると思います。では、「仁義」という言葉の出典は、どこでしょうか。 答えは、『孟子』です。『孟子』の冒頭にある、梁国の恵王と孟子の対話に「仁義」という言葉が出てきます。今は分かりませんが、少なくとも私…

阮元「塔性説」―仏典の漢訳にまつわる話

自宅のプリント整理に勤しんでいたところ、数年前に大学の演習で阮元「性命古訓」を扱った関係で、少しだけ自力で読んでいた阮元「塔性説」のコピーが出てきました*1。少し調べてみると、王國維『靜庵詩文集』にも少し言及がある文章のようです。 論旨が明快…

勝手気ままな「訳書」紹介―『孟子』

こちらも『論語』ほどではないですが、多種に渡っています。『論語』に比べると長い本なので、抄訳もちらほら見受けられます。 有名な話ですが、最も一般に流布している小林勝人訳(岩波文庫、1968)は、批判の多い著作です。吾妻重二「岩波文庫『孟子』を疑…