達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

「中国基本古籍庫」という漢籍データベースに関する基本情報

 皆さんは、「中国基本古籍庫」、通称「古籍庫」という漢籍データベースをご存じでしょうか。古籍庫は、中国で開発された有料の漢籍データベースです。やや誤字が多いのですが、割とマニアックな文献まで電子化しており、検索してテキスト化された原文をコピペすることができるので、出典や用例探しには非常に便利な道具です。

 ふと、在野で漢文出る人(非常勤講師の掛け持ちをしている人も含む)が、古籍庫使えるような仕組みを作ったら、便利なんじゃないかと思い、アンケートを採ってみました。

 

提供している組織:北京爱如生数字化技术研究中心

 中国基本古籍庫は、北京にある愛如生という研究機関が開発、提供しているデータベースです。日本では、東方書店が代理店となっています。以下の情報は、全て公式サイトに載っているものの引用です。

使用料金

 中国基本古籍庫には、中国国内版と海外版の2種類が有り、海外版は米ドルで、使用料を支払います。東方書店経由で、購入する事もできますが、直接買った場合は、以下の金額になります。(金額はUSD)

 「 /user」という表現がありますが、これは恐らく同時接続可能な人数と考えられます。(アカウントの数と言い換えても良いかも知れません。)

 

Remote Service Edition   20,000 + 20,000 /user(メンテナンス費用:320/year)

Annual Service Edition    20,000 / year /5 users

Install Service Edition   154,000 + 4,620/user

 

 1ドル=110円と仮定して、試算してみます。

 Remote Service Editionの場合は、基本料金が220万円。これに加えて使用人数が一人につき220万ですね。恐らく、一度買えば、永久に使い放題だと思われます。

 Annual Service Editionの場合は、年間に220万円で、5人まで使用可能です。一人につき45万円になりますね。

 Install Service Editionの場合は、基本料金が1694万円。これに加えて、使用人数が一人につき50万8200円です。こちらも、一度買えば、永久に使い放題だと思われます。

 使用年数を1年と固定し、同時使用人数を変数とした場合のグラフを作ってみました。

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 Annual Service Editionが断然安いですね。9人以下ならRemote Service Editionがお得、10人以上はInstall Service Editionがお得です。

 次に使用人数を1人に固定して、使用年数を変数とし、累積使用料金を試算してみました。

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 3年以上使用するなら、Remote Service Editionがお得。2年以下なら、Annual Service Editionお得です。

 続いて使用人数を5人と固定した場合の試算。

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 5年までなら、Annual Service Editionがお得。6年以上使用するなら、Remote Service Editionがお得になりますね。

日本で導入している研究機関

 公式サイトによれば、導入しているのは以下の大学です。

 京都大学関西大学龍谷大学明治大学早稲田大学東京大学明星大学、法政大学、同志社大学立命館大学新潟大学大阪大谷大学

 あれーーー案外少ない。しかも、国立大は、東大と京大、そして新潟大だけ。まあ、高いですからね・・・どうやら、研究機関に所属していても、古籍庫が使えない環境にいる人も沢山いるようです。在野の前に、使える研究機関を増やす方が優先順位は高いでしょう。

 実施したアンケートでは、一人一万円などと適当な数字を出してしまいましたが、 Annual Service Editionだと、1年間で45万もかかる訳で、なかなか厳しいですね。使用できる日を偶数・奇数で分けて、使用人数を2倍にすれば、使用料金も二分の一にできますが、、、

 ちなみに、数年前に開発された「中華経典古籍庫」は、「中国基本古籍庫」とは、全く関係の無い別の有料漢籍データベースです。いずれ、「中華経典古籍庫」についても、簡単な紹介記事を書く予定です。