達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

慶應義塾図書館展示会「古代中世 日本人の読書」に行ってきました

 先週紹介した論語義疏』が一般公開されているということで、観てきました。

chutetsu.hateblo.jp

 

 第32回慶應義塾図書館貴重書展示会「古代中世 日本人の読書」(@丸善・丸の内本店4階ギャラリー、今日の16:00まで)にて公開されています。今日はその感想のレポートです。

 

 一言で言って、とても素晴らしい展示でした!

 目玉である『論語義疏』は言うまでもなく、「日本人の学者がどのように読書をし、その技法を引き継いできたか」ということに焦点が当てられた、一本筋の通った企画でした。

 わずか1000円の図録も内容が素晴らしく、帰宅した今でもついつい眺めてしまいます。

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 古代・中世の日本では、読書の対象となったのは主として中国伝来の書物「漢籍」だった。

 日本人はこの難解な書物をどのように学習し、また、どのように活用したのか、古代から中世にいたる読書の様相を、慶應義塾図書館の蔵書でたどる。(図録表紙)

 

 グッズも買いました。

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 『論語義疏』は、今のところ、画像が公開されているのはプレスリリースでのごく一部分だけです。他の部分もデータベースでの画像公開が必ずなされると思いますので、期待して待ちたいと思います。

 また、本書に関する慶応での研究班も既に2~3年行われているようですので、研究発表も楽しみにしています。

 

 さて、この「日本人の読書」とセットで行くべき展示が、三井記念美術館敦煌写本と永樂陶磁」です。

www.mitsui-museum.jp

 

 隋大業四年(608年)書写の『大般涅槃経』など、隋唐期の写本をこれでもかというほど見ることができます。こちらはまだまだ先まで展示されていますので、ぜひお立ち寄りください。

 

 余談になりますが、帰り道には国立歴史民俗博物館に立ち寄りました。

www.rekihaku.ac.jp

 気になっていた展示「性差の日本史」が折よく開催中でしたので、観てまいりました。こちらも力の入った展示で、ジェンダーに役割が背負わされていく過程が生々しく描写されていました。

 目当ては特別展でしたが、とても広大な常設展も素晴らしく、全部見終わることができませんでした。またの機会に立ち寄りたいと思います。

 

(追記)

 この展覧会に関する素晴らしいレポートを発見したので載せておきます!せひご覧ください。

banketong.wordpress.com