最近、それほどの頻度ではありませんが、Wikipediaを執筆しています。「Wikipediaなんて…」と思う方も多いかもしれませんが、私はそうは思いません。以下に考えを記しておきます。
- 検索サイトで専門用語を調べたとき、まず出てくるのはWikipediaです。無料で誰もが容易に読めるものですから、これが充実していれば、素晴らしいことこの上ないはずです。
- 「誰が書いたか分からない」ことが問題視されますが、きちんと出典が書いてあれば、Wikipediaの書き手が誰であったにしても、読者はその記述から容易に典拠を調べることができます。
- 「書いても誰かに消される」ことが問題視されますが、容易に前の版に戻すことができます。迷惑行為を繰り返す人はいつか運営にブロックされます。(そもそも、執筆者が少ない中国学の分野で、編集合戦が起こり得る項目は稀かと思います。)
- 中国学研究の良書を、中国学に興味のある一般の方に紹介できる数少ない場所です。こんなブログにちまちま書くより、はるかに影響力があります(自分で言ってて悲しくなりますが)。
- 執筆の際には、基本的なことを辞書的に記述することが求められますから、その項目の内容を改めて体系的に把握することができます。
とある別分野の講義で、先生が「この分野については、英語版のWikipediaが非常に充実しているので、そこから参考文献を探していただいて構いません」と仰られていたのを、よく覚えています。実際には、執筆人数があまりに違うので、英語版を目標にするのは難しいかもしれませんが、少なくとも、「Wikipediaなんて…」と色眼鏡を掛けて見るのはやめるべきだと考えています。
こういうわけで、執筆すること自体には前向きに取り組んでいるのですが、なかなか苦労する点があるのも事実です。以下に挙げておきましょう。
- 研究している身では当たり前のことでも、全て出典を付けなければならず、とても面倒くさい。
- Wiki記法が面倒くさい。慣れても面倒くさい。
- 一つの項目を執筆すると、他に連動して執筆しておきたい項目が出てきて、これまた面倒くさい。
- 改善すべきページがあまりに多く、眺めていると心が折れる。
- 執筆しても、別に褒めてもらえるわけではない。それどころか白い目で見られるかもしれない。
⑤については、自分でうるさいぐらいにアピールし続ければ、評価してくれる人も現れるかもしれません。今後、自分が書いた記事を紹介していこうと思います。
さて、これでもWikipediaに懐疑的な方向けに、内容がしっかりしている記事を以下に幾つか掲げておきます。
※中国史関係の良い記事を一覧で紹介する記事を書きました。↓
(棋客)