達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

Wikipediaについて

 最近、それほどの頻度ではありませんが、Wikipediaを執筆しています。「Wikipediaなんて…」と思う方も多いかもしれませんが、私はそうは思いません。以下に考えを記しておきます。

  1. 検索サイトで専門用語を調べたとき、まず出てくるのはWikipediaです。無料で誰もが容易に読めるものですから、これが充実していれば、素晴らしいことこの上ないはずです。
  2. 「誰が書いたか分からない」ことが問題視されますが、きちんと出典が書いてあれば、Wikipediaの書き手が誰であったにしても、読者はその記述から容易に典拠を調べることができます。
  3. 「書いても誰かに消される」ことが問題視されますが、容易に前の版に戻すことができます。迷惑行為を繰り返す人はいつか運営にブロックされます。(そもそも、執筆者が少ない中国学の分野で、編集合戦が起こり得る項目は稀かと思います。)
  4. 国学研究の良書を、中国学に興味のある一般の方に紹介できる数少ない場所です。こんなブログにちまちま書くより、はるかに影響力があります(自分で言ってて悲しくなりますが)。
  5. 執筆の際には、基本的なことを辞書的に記述することが求められますから、その項目の内容を改めて体系的に把握することができます。

 とある別分野の講義で、先生が「この分野については、英語版のWikipediaが非常に充実しているので、そこから参考文献を探していただいて構いません」と仰られていたのを、よく覚えています。実際には、執筆人数があまりに違うので、英語版を目標にするのは難しいかもしれませんが、少なくとも、「Wikipediaなんて…」と色眼鏡を掛けて見るのはやめるべきだと考えています。

 こういうわけで、執筆すること自体には前向きに取り組んでいるのですが、なかなか苦労する点があるのも事実です。以下に挙げておきましょう。

  1. 研究している身では当たり前のことでも、全て出典を付けなければならず、とても面倒くさい。
  2. Wiki記法が面倒くさい。慣れても面倒くさい。
  3. 一つの項目を執筆すると、他に連動して執筆しておきたい項目が出てきて、これまた面倒くさい。
  4. 改善すべきページがあまりに多く、眺めていると心が折れる
  5. 執筆しても、別に褒めてもらえるわけではない。それどころか白い目で見られるかもしれない。

 ⑤については、自分でうるさいぐらいにアピールし続ければ、評価してくれる人も現れるかもしれません。今後、自分が書いた記事を紹介していこうと思います。

 さて、これでもWikipediaに懐疑的な方向けに、内容がしっかりしている記事を以下に幾つか掲げておきます。

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

※中国史関係の良い記事を一覧で紹介する記事を書きました。↓

chutetsu.hateblo.jp

 

(棋客)