たびたび本ブログで紹介してきたように、筆者はWikipediaの執筆に力を入れています。（ここ最近は忙しく、あまり執筆できていませんが…）
Wikipediaの記事を執筆する上では、逐一信頼できる書籍の出典を附し、情報源を明示することが求められています（Wikipedia:検証可能性 - Wikipedia、Wikipedia:信頼できる情報源 - Wikipedia）。この際、基本的に一次資料は用いることはできず、一次資料を慎重に処理した二次資料（つまり論文や専門書、概説書）に基づくことが求められています。自然、Wikipediaを執筆する過程で色々な本に目を通すことになります。
新書から専門の論文までさまざまな研究を使って記事を書いてきましたが、ここでは、そこから厳選して、一般の読者でも楽しく読むことのできる本をご紹介します。一般の図書館に入っている本も多いですので、ぜひ手に取ってみてください。
目録学 - Wikipedia
- 京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター編 『目録学に親しむ : 漢籍を知る手引き』 研文出版〈京大人文研漢籍セミナー〉、2017年
- 古勝隆一『目録学の誕生−劉向が生んだ書物文化』臨川書店、2019
- 余嘉錫、古勝隆一・嘉瀬達男・内山直樹訳 『目録学発微: 中国文献分類法』 平凡社〈東洋文庫〉、2013
中国の女性史 - Wikipedia
- 小浜正子、下倉渉、佐々木愛など『中国ジェンダー史研究入門』京都大学学術出版会、2018
- 高津孝編 『中国学 (シノロジー) のパースペクティブ : 科挙・出版史・ジェンダー』 勉誠出版、2010
- 関西中国女性史研究会編『ジェンダーからみた中国の家と女』 東方書店、2004
詩経 - Wikipedia
- 小南一郎 『『詩経』 : 歌の原始』 岩波書店〈書物誕生 : あたらしい古典入門〉、2012
- 加納喜光 『詩経』 学習研究社〈中国の古典〉、1982
- 青木正児 『中華名物考』 平凡社〈東洋文庫〉、1988
- 目加田誠 『詩経』 講談社〈講談社学術文庫〉、1991
朱子学 - Wikipedia
- 木下鉄矢 『朱子学』 講談社〈選書メチエ〉、2013
- 土田健次郎 『江戸の朱子学』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2014
- 島田虔次 『大学 ; 中庸』 朝日新聞社〈新訂中国古典選〉、1967
- 島田虔次 『朱子学と陽明学』 岩波書店〈岩波新書, 青〉、1967
- 裴宗鎬、川原秀城訳 『朝鮮儒学史』 知泉書館、2007
- 福谷彬 『南宋道学の展開』 京都大学学術出版会〈プリミエ・コレクション〉、2019
道教 - Wikipedia
- 神塚淑子 『道教思想10講』 岩波書店〈岩波新書新赤版〉、2020
- 金正耀 『中国の道教』 平河出版社、1995
- デスプ・カトリーヌ、門田眞知子訳『女のタオイスム : 中国女性道教史』人文書院、1996
- 坂出祥伸 『道教とはなにか』 中央公論新社〈中公叢書〉、2005
- P.R.ハーツ、鈴木博訳 『道教』 青土社〈シリーズ世界の宗教〉、2005
- 横手裕 『中国道教の展開』 山川出版社〈世界史リブレット〉、2008
春秋経伝集解 - Wikipedia
- 野間文史 『春秋左氏伝 : その構成と基軸』 研文出版〈研文選書〉、2010
- 野間文史 『五経入門 : 中国古典の世界』 研文出版〈研文選書〉、2014
中国の書店 - Wikipedia
- 井上進 『中国出版文化史 : 書物世界と知の風景』 名古屋大学出版会、2002
- 井上進 『書林の眺望 : 伝統中国の書物世界』 平凡社、2006
- 井上進 『明清学術変遷史 : 出版と伝統学術の臨界点』 名古屋大学出版会、2011
史記 - Wikipedia
- 小川環樹・今鷹真・福島吉彦 『史記列伝』 全5巻 岩波文庫、1975
- 大木康 『「史記」と「漢書」 中国文化のバロメーター』 岩波書店〈書物誕生－あたらしい古典入門〉、2008
- 宮崎市定 『史記を語る』 岩波書店〈岩波新書〉、1979
- 吉川忠夫 『読書雑志 : 中国の史書と宗教をめぐる十二章』 岩波書店、2010
- 吉本道雅 『史記を探る』 東方書店〈東方選書〉、1996
（棋客）
