パレスチナ連帯のデモに行くと、「Queer Prism Flag」と呼ばれる以下の旗を見かけることがあるかもしれません。
この旗は、Hamed Sinnoというレバノン出身のアーティストが作成したものです(H Sinno 🐝 | The queer prism flag as well as its vector files are available for free download at the link in my bio (affinity, and Adobe compatible ep... | Instagram)。
この人は、もともとMashrou' Leilaというバンドをやっていて、ずっとパレスチナ連帯活動をしてきた人です。オープンリーなゲイ・ノンバイナリ―でもあります。
これまで、セクシュアルマイノリティを包括的に示す旗としては、レインボーフラッグがよく用いられてきました。しかし、イスラエルの文脈においては、レインボーフラッグはパレスチナ侵攻の正当化のために使われる旗になってしまっています(=ピンクウォッシング)。このことについては、以前このブログで説明しました→『交差するパレスチナ: 新たな連帯のために』を読んで(3) - 達而録
こうした状況下で、クィアの連帯を示す新しい旗として、最近よく使われているのがQueer Prism Flagです。「性の多様性」というような言葉だけに包括・回収されない、反障害者差別・反植民地主義を含めた反権力・反差別を掲げるものであると私は理解しています。
Queer Prism Flagのそれぞれの色には、以下のような意味が込められているそうです。(参考:https://twitter.com/aka_sb/status/1733691455720538245)
- 黒:全ての人種の包括、ブラック・ブラウンの人々が運動を支えてきた歴史
- 紫:クィアフェム・フェミニズムとの連帯
- ピンク:ホロコースト時代に殺されたゲイへの哀悼とACT UP運動
- 赤の三角:パレスチナへの連帯と反植民地主義
- 右から左への向き:普遍的な左派的思想への方向性と、アラビア語の文字の向きから脱西洋中心主義の意味が込められている。
こういう事情があるので、左右の向きがとても大切です。
最近、私はこのフラッグの手作りワッペンを生産中です。志を同じくする人に配っています。
クィアなパレスチナ連帯については、以下のページにも情報がまとめられており、おすすめです。
(棋客)