最近見たコンテンツの感想を書きます。ネタバレが紛れているので気を付けてください。
◆地面師たち(Netflix)
画力がすごくて、ついつい一気見してしまったので、本作に魅力があることは身をもってよく分かった。演技も見応えがあったと思う。ただ、全体的に思ったほどではなかったというか、「実際こうやって騙したんだ!へぇ~!すごい!」という面白さはあったけど、それ以上のものは正直なかった。
その要因は、犯罪組織のトップが、割とテキトーな作りの雰囲気シリアルキラーになってしまっていて、物語の深みを欠いたところにあると思う。せっかく実話をもとにしているのに、ハリソンのキャラクターに全然リアリティを感じられなかった。拓海の心変わりもあまり上手く描けていなかったと思う。「犯罪」の被害と加害、復讐と快感、みたいな重いテーマに中途半端に手を出したわりに、ぜんぜん深堀りされない作品だという印象が残った。
その深堀りを諦めるなら諦めるでいいのだが、それならもっと割り切って、エンタメ作品的なカタルシスを全面に出して欲しかった。つまり、「大企業のいけすかない奴が騙されて、無様に大転落する」*1とか、「犯罪組織の無敵のボスが負ける」とか、「義侠心から、金持ちから金を奪って貧乏人に再分配している」とか、「いかした詐欺集団がわいわい相手をはめる」(陽気なギャングシリーズ的な)とか、せめてそういう分かりやすい筋立てで押してほしかった。
つまり、エンタメとしても、社会派作品としても、ちょっと中途半端だと思った。粗暴な役を外国人表象の人ばかりにやらせるのも気になった。
◆十角館の殺人 (Huluオリジナルドラマ)
もともと本で読んだことがある作品を、せっかくなのでドラマも観てみた。トリック的に映像化するとすぐ種明かしされてしまうのでどうするのか……と思っていたのだが、なかなかおしゃれで絶妙な解決策を用意しており、見応えがあった。犯人役は、俳優冥利に尽きる役だと思う。
小説だと「ちょっと変わった人」ぐらいで違和感なく読めるのだが、実写で見ると、どうしてもエラリーの浮きっぷりが半端ない(それはそれで面白いのだが)。これはエラリーのキャラクターが悪いというより、「探偵もののミステリー」と「ホラー」が、映像作品としては根本的に相性が悪いって話なのかもしれない。「気味悪い恐怖の館」の中で、「さあ、一旦落ち着いて整理しよう」みたいなことを言う人がいるアンバランスさ、というか。
あと、私はもともと話を知っていたのですんなり観れたが、やや込み入った話なので、初見の人は整理するのが追い付かなかったかもしれない。
◆文字遊戯
最近日本語版が出たゲーム。もともと中国語版で途中までプレイしたことがあり、今回は日本語版をスイッチでプレイしてみた。文字だけで作られた世界で、文字の主人公が旅をするRPG。中国語の漢字だけの世界を、日本語に翻訳しなければならないわけで、ローカライズはめちゃめちゃ大変だったと思う。ほとんど新しいゲームを作っているようなものだろう。
ナレーションの文字列がそのまま世界を構成する文字に変化したり、文章を改変してストーリーを変化させたりする。その上で、漢字を部首に分解したり、分解された部首を合成したり、漢字の特性を存分に活かしたナイスなゲームだった。全体として、とにかくアイデアが面白いのと、漢字の動きが非常に楽しい。謎解きに納得できないところもあったが、ローカライズの都合上仕方ないと思う。
ただ、面白いアイデアの宝庫なのに、それが最後の最後で繋がり切れていないような感覚はあり、「こんなに面白いんだから、もっと面白くできたはず!」みたいなことを考えてしまう。作者のメタ世界との連結は、このゲーム世界を「文字」という舞台設定したことの強みを活かす素晴らしい展開だと思うのだけど、もっとうまくゲーム世界と接続できそうな気がする。もしくは、単に私が、メタのメタのメタのメタ……が用意されていく快感だけでは、もう物足りなくなってしまっている、ということかもしれない。
◆Inscryption (Modモード)
以前やったInscryptionというゲームの、やり込み要素の部分を全クリした。こういうのを自力で全部クリアしたゲームは生まれて初めてかもしれない。そのぐらい楽しかった。結構大変だったので、攻略のヒントを後日記事にしておこうと思う。
◆ターミナル
トム・ハンクス主演の映画。最後、和解して署名を貰って入国するのではなく、「別によくね?」という感じであっさり突破するのが、制度のばかばかしさを浮き立たせていて良かった。
◆魔法少女山田
20分×3話のショートドラマ。モキュメンタリー仕立ての作品。不気味な雰囲気の演技や演出が素晴らしかった。その中で、人が人の人生を「編集」することの恐怖に焦点が当てられていたのが面白かったと思う。
Youtubeで公開されているのですぐ観れます。おすすめ。
◆「タイマン森本」THE LIVE
大好きなYoutubeチャンネル「タイマン森本」が、初のライブイベントを開催ということで、観に行ってきた。S席でかなり前の方。大迫力で見れた。
いわゆる「お笑いライブ」自体が完全に初めてだったので、開始までは「笑えるかな…」と勝手に緊張していたのだが、始まってしまうと涙が出るまで笑い転げ、あっという間に時間が過ぎてしまった。今後もお笑いライブ行ってみたいなーと思った。
壇上に上げられたファンの方が、森本の魅力を「継続力」と答えていて、本当にそうだなーと感心した。
(棋客)