昨年、自分の専門分野である「漢文」に向き合う時間が減っているので、それを何とかしたい、という話をブログに書きました(漢文読まなきゃ…… - 達而録、今後の計画メモ - 達而録など)。
この後は、授業準備で漢文を読みつつ、少し新しい漢文も読んでみました。その過程で気が付いたのですが、ここ最近の自分に欠けていたものは、「漢文を読む」こと自体というより、「古典辞書に親しむこと」にあったと思います。
そう気が付いたのは、久しぶりにまっつんさんのブログを読んでいて、『辞源』の説明をノートに取りながら『孝経』を読むシリーズに出くわしたからです(『辭源』に親しむ – 積讀日記)。もちろん昔読んだことある記事なのですが、改めて読むと、今の自分が漢文に向き合うための示唆を得たような気持ちになりました。
このまっつんさんの試みの場合、『孝経』を読むために『辞源』を使うのではありません。そうではなくて、『辞源』に親しむための手ごろな題材として『孝経』を使うということです。あくまで古典辞書に親しむことに目的があって、『孝経』の側は手段になるわけです。
上のことに気が付いたのがちょうど年末年始の頃だったので、こういう姿勢で毎日少しだけでもいいから辞書を引く、ということを今年の目標に掲げました。
いま三月になりますが、少しでも『辞源』を触るという目標はおおむね達成できています*1。途中二週間ほど、どうしても紙の辞書を使えない場所に滞在しており、その間は途切れてしまったのが残念ですが、仕方ありません。本当に毎日続けられるかどうかということより、「辞書に親しむ」こと自体に楽しさを見出せる自分を取り戻せたというのが大きいのです。
下の写真は、リュックに辞書を詰めて持ち歩いている様子です。ちなみに一回これで腰を痛めて数日引きずってしまったので、それ以来この方法は止めました。

さて、せっかくこういう気分になっているので、『辞源』以外の辞書にも親しんでいきたいところです。私の恩師が書かれているブログの中には、「十師友 – 学退筆談」という記事がありますので、これを久々に見返してみました。ここには、以下の十冊の辞書がユニークな紹介文とともに挙げられています。
- 辞源修訂本
- 新華字典
- 辞通
- 聯綿字典
- 古代漢語虚詞詞典
- 漢語大詞典
- 辞海
- 経籍籑詁
- ロングマン米語辞典
- 広辞苑
私の場合、『新華字典』は『孝経』を中国語で発音する授業をやっているので使う機会が多めですが、他はあまり使えていません。現状では、このうち手元にある辞書は『辞通』と『経籍籑詁』ぐらいです。次の目標はこのあたりを使いこなすことかな、と考えています。
(棋客)
*1:読んだ題材は、当初は劉沅『孝経直解』で、その後は授業準備の『世説新語』など。また改めて書きますが、私の『孝経』理解が浅いこともあって、『孝経直解』を読んでも、どこが特徴なのか分からず、のっぺりした読みになってしまいました。あくまで辞書に親しむことが目標なので、それはそれでいいのですが、『孝経』解釈を俯瞰的に見れるようになってからまた改めて読んだ方がいいかもしれません。