久々に日記。でもトピック別で書いたからあんまし日記っぽさがない。SNSにあげた文章をまとめ直して書いたところもある。
◆ハンセン病資料館
ハンセン病資料館に行ってきた。すごくいい展示だった。池袋から電車で30分ほど、入場無料。このあたりは緑深くて素敵だ。(緑深い人里離れたところだから、隔離施設が作られたのだが。)
ハンセン病患者は長きにわたって差別され、社会から隔離されて生活させられてきた。療養所が火事になっても地元の消防団は来てくれないので、療養所内に自前の消防団を持っていたという話は衝撃的だった。
生活基盤が療養所にあり、そこから差別への闘いが生まれてくる関係上、言われてみれば当然のことなのだが、差別の解放に向けては患者自治会がベースになった闘争が展開された。どのように自治会が運営されてきたのか、話し合いや意思決定はどうなされてきたのか。資料館の中には図書室もあって資料も充実していて、いくらでも調べることがありそうだ。
また、舩城稔美というハンセン病患者の詩人の名前を知った。生前、療養所内で「女装」をしてパフォーマンスをし、「男色」家として知られていたという。当人が自分のアイデンティティを明言した言葉は残されていないとのことなので、特定の言葉でカテゴライズするのは避けるべきだろうが、その詩には性的少数者としての舩城の姿が浮かび上がるものがあるという。
差別と闘う当事者集団の中にも、またマイノリティがいる。ハンセン病資料館の次の展示は「ハンセン病療養所のなかの「外国人」」である。こちらも観に行きたい。
◆絶望
国家情報局法案の成立については先日のブログに書いたが(いつか捕まるかもしれないとリアルに思う - 達而録)、今度は国民投票改正法が衆議院を通過した。防衛省が名古屋大の文化祭にクレームを入れ、大学が謝罪するという出来事も起こった。国会ではあまりにひどすぎて信じがたい答弁が繰り返されている。
こうしたこの列島の状況がやばすぎて、絶望がすごい。私は書いて書いて、抵抗し続けなければならない。正直、それで社会が変わるかどうかなんてことは全く分からないのだが、それをし続けないと、私自身がすぐに死んでしまうような気がしている。(ひとまず今は大丈夫です。なぜなら書いているからです。)
こういう死を仄めかす発言をすると、そんなこと言わずに生きていこうよと励ます人がいるかもしれないけど、それはあまり励ましにはならない。それよりも、そう思わされずに済むような社会になるように、少しずつ一緒に闘っていきませんか。それが何よりの励ましです。
◆天皇制、もうよくないか…
知り合いの人文学者が、SNS上で天皇制の「正しく伝統的なあり方」を主張する論陣を張り続けているのだが、それを見ると恥ずかしくていたたまれなくなる。私は、そういう規範を解体し、より自由で解放された社会にしていくために人文学をやっているのだけど、その人は何のために研究しているのだろう、と不思議に思う。
その人は、自分の意見について反論されるたびに、原典を読んで伝統的に正しい学説を学べとか言うのだが、これもすごく恥ずかしい。それより先に、いま現在この制度がどんな不条理を生んでいるか、また過去にどんな加害を犯したか、それを学んで行動を変えられないものなのか*1。制度も伝統も人が作ったものである。だから変えられるものだ。問題があるのだから変えればいい。ただそれだけのことじゃないか。
天皇制って、一目見たらわかる通り、家制度、男女二元論、再生産的異性愛規範(男女は結婚して子供を産めという規範)、モノガミー規範(一対一の関係で恋愛・パートナー関係を築けという規範)、男性中心主義(女性とされる人は天皇に慣れない)をまさしく「象徴」している。つまり、直接そう言ってはいなくても、この形式を国の象徴として持ち上げることで、「これが理想の家族ですよ」という規範の提示として機能する。こうした規範に圧殺されられてきた人がたくさんいる。
太平洋戦争でアジア侵略の旗印として使われたのは天皇であり、その戦争加害の責任を背負わないまま、制度が温存されてしまっていることの問題も大きい。つまり、今の議論は、「戦争加害の象徴」を一生懸命守り続けている構図にしかなっていない、ということだ。
そもそも、一部の「血筋」の人々に対して特別待遇を与えるのは、明らかに人はみな法の下の平等であるという憲法の理念に真っ向から反しているではないか。蛇足だが、皇族には選挙権がないとか、政治活動できないとか、皇太子・天皇になると勝手に今後の人生が決められてしまう(=職業選択の自由がない)とか、そういう問題もある。
天皇制は戸籍制度とも深く結びついている。天皇には今でも「戸籍」がない。戸籍はもともと「臣民簿」であり、人々を天皇家のもとで管理するためのものであるからだ。そしてその戸籍から、在日朝鮮人が排除されているのも象徴的である。
もうさあ、男系とか女系とか、誰に天皇をやってもらうとか、身勝手でグロい話はやめにしようよ。その方法は簡単だ。天皇制をやめればいい。そのために、天皇制の規則を細々と定めている日本国憲法の第一条~第八条を、全部削除しよう。(SNSで教えてもらったのだが、主権在民を定めている唯一の条が第一条なので、その部分だけは何らかの補填が必要になると思う。)*2
◆経済的徴兵制
自衛隊には貧しい人が行く云々という話が話題になっている。いま現実に、自衛隊学校に通うと給与が出ることの意味を考えれば、答えはすぐに分かると思う。お金に困ったから自衛隊学校に通ったという話はありふれている。九大で困窮に苦しみ焼身自殺した法学の非常勤講師がいたけれど、あの人も自衛隊学校出身で、その後に研究の道に進んで、奨学金の返済に苦しんで自殺したという話だった。
わざわざ徴兵制を敷かなくても、経済格差を広げ、困窮世帯を増やすことで、実質的な徴兵制ができるという話。これを経済的徴兵制という。生活保護受給者が軍隊に徴収される日も来るのかもしれない。
◆疲労困憊
ここ一か月ほど、仕事とは別に、複数件の相談事に対応していて、正直パンクしかけている。複数の相談事をはしごした結果、合計で一日に十時間喋っていた、ということもある。たぶん二次受傷・共感性疲労と呼ばれる状態になってる気がする。カウンセラーが自分をどうケアしているか、みたいなことを学ぶ必要があるとぼんやり考えている。
たぶん頭の中が情報過多になってしまって整理できていないというのもある。頭の中をいっぱいにしているのは相談事だけではなくて、社会の状況とか、仕事の準備とか、他にも色々ある。相談事自体をここに書くわけにはいかないけれど、以上に書いてきたような感じで、思考を吐き出すことはできるので、これは続けていきたい。
本当は、以上に書いていたことも一つ一つちゃんと調べて、単独の記事として読みやすくパッケージにしたかったんだけど、現状でそこまではやるのは難しく、ひとまず勢いで書く形にした。いずれまた以上の文章を再利用しつつ、丁寧にまとめられたらいい、って感じかな。
◆音楽
友達にKASHIKOI ULYSSESを教えたら、良かったと言ってくれて嬉しかった。なぜか自分のことのように嬉しい。
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(棋客)