2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧
最近、洪誠(森賀一恵・橋本秀美訳)『訓詁学講義―中国古語の読み方 (中国古典文献学・基礎篇)』(アルヒーフ、2004)を読み返していました。 本書は、漢文の読み方をいわゆる「訓詁」から丁寧に解き明かした、日本語で読める数少ない本の一つです。何度読…
前々回取り上げた末岡宏「章炳麟の経学に関する思想史的考察 : 春秋学を中心として」(『日本中国学会報』43、1991)の注釈の文章のうち、残りの部分を読んでみましょう。 つまり、章学誠のことを、黄侃が「春秋左氏疑義答問叙」で指摘する、六経を単なる歴…
今回は、前回の記事の最後に触れた章炳麟の講演原稿である「歴史之重要」を、もう少し読んでみることにしましょう。 まず、前回紹介した部分を、私の方で日本語訳しました。 経書と史書の関係はとても深く、章学誠がいう「六経皆史」というこの言葉は正しい…
今回は、末岡宏「章炳麟の経学に関する思想史的考察 : 春秋学を中心として」(『日本中国学会報』43、1991)を読んでみましょう。 章炳麟の弟子である黄侃が、章炳麟『春秋左氏疑義答問』の後叙で、この書に見える章炳麟の説を整理しています。そのなかに、…
最近、章炳麟と章学誠の関係について調べていまして、章炳麟の全集の中から、章学誠に言及する部分を探しています。 それに関連して、島田虔次『中国革命の先駆者たち』(筑摩書房、1965)を読みました。以下、内容の紹介というより、それぞれの出典をメモし…