達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

翻訳書

勝手気ままな訳書紹介―『荘子』

ここ一年ほど、演習で『荘子』を読んでいる関係で、『荘子』の訳本を色々と見比べる機会が多くありました。もちろん、基本的には『荘子集釋』などから自分なりに訳を作っているのですが、どうにもしっくりこない場合、先人の意見を眺めてみるのも楽しいもの…

漢文に興味がある高校生向けの入門書紹介3(角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス)【中国史編】

「角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典」の中から、第1回では文学書を、第2回では思想書をまとめました。第3回では歴史書をまとめています。1~3を合わせると「角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典」を全て網羅すること…

漢文に興味がある高校生向けの入門書紹介2(角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス)【中国哲学(思想)編】

高校の漢文と大学の漢文には、大きな違いがあります。私個人の実感では、高校漢文と大学漢文は、その「難易度の違い」の前に、その「方向性の違い」がより大きいように思います。大学で専門的に漢文を学んだ者として、今回は両者の違いについて、少し考えて…

漢文に興味がある高校生向けの入門書紹介1(角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス)【中国文学編】

中学・高校の授業で、英語や数学が好きだという人は沢山いるかも知れませんが、漢文が一番好きだ得意だという高校生はなかなか奇特だと思います。嫌中本が売れたり、元号の出典が政治的に和書だと決定されたりするこのご時世に、「漢文が大好きだ」なんて堂…

『左伝』の訳書と概説書の紹介

とある方にリクエストを受けて、『春秋左氏伝』の訳書や概説書の手引きを作ってみることにしました。(この方の学識には及ぶべくもないのですが、何故私が…。)週一回更新を守りたいのですが常にネタ切れ気味ですので、何か良いネタがありましたら教えてくだ…

勝手気ままな「訳書」紹介―『孟子』

こちらも『論語』ほどではないですが、多種に渡っています。『論語』に比べると長い本なので、抄訳もちらほら見受けられます。 有名な話ですが、最も一般に流布している小林勝人訳(岩波文庫、1968)は、批判の多い著作です。吾妻重二「岩波文庫『孟子』を疑…

勝手気ままな「訳書」紹介―『論語』

日原利国氏が「碩学といわれるほどの大先生は、みな『論語』の訳注をされる、と聞かされ」*1たと述べる通り、『論語』の訳本は非常に多く存在します。一般向け・専門向けも入り混じっており、どうまとめるのが良いのか悩みどころ。全てを時代順に並べても、…

勝手気ままな「訳書」紹介―前置き

中国思想を専門とする研究室には、よく「良い訳書を教えてほしい」という声が届きます。しかし著名な古典となると数々の学識の高い先生が訳されていますから、一概にどれが良いとは言い難いものです。それは単に訳の良し悪しではなく、元々の方針の違いに由…