達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

セクシュアルマイノリティ

『エトセトラ』vol.10 男性学特集号の感想(2)~仲芦達矢「ノイジー・マスキュリティ」

前回の続き。フェミマガジン『エトセトラ』の「特集:男性学」号(vol.10)を読んでの感想を記す。今回は、特に仲芦達矢「ノイジー・マスキュリティ」を取り上げる。 前回、『エトセトラ』の「特集:男性学」号の全体について説明した。前回示した通り、全体…

『エトセトラ』vol.10 男性学特集号の感想(1)

遅れ馳せながら、フェミマガジン『エトセトラ』の「特集:男性学」号(vol.10)を読んだ。同誌はこれまでに「特集:くぐりぬけて見つけた場所」(vol.7)を読んだことがあって、とても面白かったのを覚えている。 今号も、掲載されている論考はどれもとても…

『交差するパレスチナ: 新たな連帯のために』を読んで(3)

前回に引き続き、『交差するパレスチナ: 新たな連帯のために』(在日本韓国YMCA編集、新教出版社、2023)を読みます。今回は、第4章「パレスチナと性/生の政治」(保井啓志)の内容をメモしておきます。イスラエルによる、いわゆる「ピンクウォッシング」…

パンセクシュアルを名乗ること:文献・リンク集

パンセクシュアルを名乗ること:前提 パンセクシュアルを名乗ること:過去 パンセクシュアルを名乗ること:未来 パンセクシュアルを名乗ること:文献・リンク集(今回) さて、昨日まで連続で更新してきた記事も、最初はいつもの記事のように、他人の文章を…

パンセクシュアルを名乗ること:未来

パンセクシュアルを名乗ること:前提 パンセクシュアルを名乗ること:過去 パンセクシュアルを名乗ること:未来(今回) パンセクシュアルを名乗ること:文献・リンク集 昨日の続き。自分がパンセクシュアルと名乗ることについて、もう一つ書ききれていない…

パンセクシュアルを名乗ること:過去

パンセクシュアルを名乗ること:前提 パンセクシュアルを名乗ること:過去(今回) パンセクシュアルを名乗ること:未来 パンセクシュアルを名乗ること:文献・リンク集 昨日の記事で、自分がパンセクシュアルであると名乗ることについて、その前提や意味を…

パンセクシュアルを名乗ること:前提

(今回)パンセクシュアルを名乗ること:前提 パンセクシュアルを名乗ること:過去 パンセクシュアルを名乗ること:未来 パンセクシュアルを名乗ること:文献・リンク集 今回からしばらくの間、自分のアイデンティティについて言語化するための記事を書いて…

藤高和輝「パスの現象学―トランスジェンダーと「眼差し」の問題」

今回は、藤高和輝「パスの現象学―トランスジェンダーと「眼差し」の問題」(『フェミニスト現象学』ナカニシヤ出版、2023)を取り上げます。「現象学」が冠される本を読むのは初めてでしたが、専門知識が無くても読めるように工夫されていて、私にも分かりや…

Diffの記事を書きました

Diffの記事を書いたのでお知らせしておきます。 diff.wikimedia.org Diffとは、Wikimedia(Wikipediaを含む)に関連する記事を掲載するメディアです。 私はWikipediaの編集に継続的に取り組んでおり、Wikipedia関係の記事はDiffにアップしていこうと思います…

文フリで買った本③―『MagazineF』と『From the Hell Magazine』

文フリで買った本の感想を書く記事の続きです。今回は、「四面楚歌系クィアメディア」を名乗る『MagazineF』vol.1, 2(竹輪書房)と、文乃(Ayano)さんの『From the Hell Magazine』vol.1, 2から。 なお、二つの文章は、全く同じ話をしているというわけでは…

文フリで買った本①―『砂時計』第四号

文フリで買ってきた『砂時計』第四号を読んだので、感想を書いていきます。発行者は「北十 | 文芸同人 北十 | Hokkaido」さんです。 冒頭にあるのが『片袖の魚』の監督の東海林毅さんと、「北十」の音無早矢さんの対談記事です。『片袖の魚』は、以前関西ク…

第16回関西クィア映画祭(4)

関西クィア映画祭の感想の続きです。最終日に観た映画を抜き出して書いていきます。まずは海外短編集から。 kansai-qff.org ハテナだらけの食卓ゲイをカミングアウトする食卓の会話劇。ゲイという存在を全く知らない両親。息子に寄り添うでもなく、かといっ…

映画「ノー・オーディナリー・マン」(No Ordinary Man)の感想(3)

引き続き、関西クィア映画祭で観た映画「ノー・オーディナリー・マン」について書いていきます。今回を最終回ということにします。 今回は、映画の中ではそこまではっきりとは示されていないものの、関連して考えることのできるテーマについて取り上げます。…

映画「ノー・オーディナリー・マン」(No Ordinary Man)の感想(2)

前回に引き続き、関西クィア映画祭で観た映画「ノー・オーディナリー・マン」について書いていきます。今日は、作中で明示されているテーマについて、順を追って見ていくことにします。 前回、この映画の主要な構成パートの一つに「トランスジェンダー(十名…

映画「ノー・オーディナリー・マン」(No Ordinary Man)の感想(1)

今日から、関西クィア映画祭で観た映画「ノー・オーディナリー・マン」について紹介していきたいと思います。一応、アメリカ版Amazon primeでオンライン公開されているようですが、日本語の字幕はないと思います。 今回は導入ということで、映画の内容・構成…

関西クィア映画祭に行ってきました

先週まで大阪・京都で行われた「関西クィア映画祭」に行ってきました。大阪会場は一日だけ、京都会場は三日間の参加です。とにかく大満足の映画祭でしたので、今日から何回かの記事に分けて、感想を書き記していきます。 kansai-qff.org まず、観た映画をメ…