達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

日記

多忙につき…

心身ともに余裕がなく、しばらくブログを更新できなさそうです。 のんびりお待ちください。 もしかしたら、少し形態を変えて、考えたことをつらつらと書き綴るタイプのブログとして再出発するかもしれません。 ではまた。 (棋客)

2024年になりました

いつの間にやら「2024年」になりました。びっくりです。 去年の記事を見返していましたが、中国古典関連の記事はなんと半分以下で、自分の興味関心の移り変わりを見ることができて面白いですね。テーマを限定してブログを続けるのは私には難しそうですので、…

国立大学法人法改正案について

先週、参院本会議にて、国立大学法人法の改正案が可決されました。大雑把な経緯や改正案の内容については、この改正案に対する反対署名を集めているサイトに詳しいです。→オンライン署名 · 大学の自治に死刑を宣告する国立大学法人法「改正」案の廃案を求め…

文フリで買った本④―『夕炎の人』

文フリで買った本を紹介するシリーズの続きです。今回は、星槎渡河さんの『夕炎の人』という小説を取り上げます。Twitter経由で昔から知り合いだった方の本ということで、とても楽しみにしていました。 領主の屋敷の庭師であるセッケムは、最近あることに悩…

文フリで買った本③―『MagazineF』と『From the Hell Magazine』

文フリで買った本の感想を書く記事の続きです。今回は、「四面楚歌系クィアメディア」を名乗る『MagazineF』vol.1, 2(竹輪書房)と、文乃(Ayano)さんの『From the Hell Magazine』vol.1, 2から。 なお、二つの文章は、全く同じ話をしているというわけでは…

文フリで買った本②―『砂時計』第五号

前回、文フリで買った文芸同人 北十さんの『砂時計』第四号の感想を書きました。今回は第五号の感想です。 まず取り上げたいのは、桐崎鶉さんの短歌集『感性の問題』です。桐崎さんの短歌には、自分も身につまされる作品がいくつもありました。千葉優作さん…

文フリで買った本①―『砂時計』第四号

文フリで買ってきた『砂時計』第四号を読んだので、感想を書いていきます。発行者は「北十 | 文芸同人 北十 | Hokkaido」さんです。 冒頭にあるのが『片袖の魚』の監督の東海林毅さんと、「北十」の音無早矢さんの対談記事です。『片袖の魚』は、以前関西ク…

文学フリマ@東京に行ってきました

文学フリマ@東京に行ってきました。 bunfree.net 下が獲得したものです。 FromTheHellMagazine 文芸同人「北十」 果ての向こう側通信 星槎渡河 TT (press) 無知 本の感想は、またのちのち書いていこうと思います。 来年にでも自分でも何かZINEでも書けたら…

第16回関西クィア映画祭(1)

今年も関西クィア映画祭に参加してきましたので、しばらくその感想を書いていこうと思います。 kansai-qff.org ちなみに、去年参加したときの記事が以下です。 関西クィア映画祭に行ってきました - 達而録 映画「ノー・オーディナリー・マン」(No Ordinary …

ブログ開設五周年

ブログ開設五周年を迎えました。次から六年目に突入します。一応、ほぼ毎週更新ということで頑張っております。 最近は漢文を読んだ記事が少ないですが、これは漢文を読んでいないというわけではなく、博論が佳境に入ってきた結果、読む漢文はすべて研究に直…

京都大学吉田寮現棟・食堂写真展を開催します

宣伝です。 東京・新宿にて、京都大学吉田寮の写真展を開催します。 一週間ほど開催し、私はだいたいお店にいるつもりです。もし確実に会いたいという方がおられましたら、コメント欄などで連絡ください。 場所:IRREGULAR RHYTHM ASYLUM(新宿駅徒歩10分) …

「劉炫の学問とその書物環境」の公刊

2023年3月発行の『六朝学術学会報』24号に、拙著「劉炫の学問とその書物環境」が掲載されております。 劉炫については、このブログでもたびたび取り上げてきました。 『孝經述義』廣至德章について(1) - 達而録 『孝經述義』廣至德章について(2) - 達…

京大吉田寮の存続のための署名へのご協力のお願い

本ブログでは、たびたび京都大学吉田寮の存続に関する話題を取り上げてきました。 京大吉田寮について - 達而録 明日、吉田寮の集会があります - 達而録 近況 - 達而録 先日、吉田寮の存続を訴えるための署名サイトが立ち上がったとのことですので、この場を…

「『達而録』記事ガイド」を作りました

「Dynalist」というサービスを使って、本ブログの記事ガイドを作成しました。 ➡「『達而録』記事ガイド」 見ていただくと分かるように、ジャンルごとに分かれています。各項目の左側の◎をクリックすると、そこに分類されている記事が展開されます。 記事が増…

奨学金・研究助成あれこれ

一般に、研究を続けていくにあたっては、奨学金や研究費を確保するのはとても大切なことです(もともとお金に困っていない人はその限りではありませんが)。最近は雇用が不安定になる中で、物価上昇に比して最低時給はさほど上がらないという状況も相まって…

「崔靈恩の『三禮義宗』―鄭玄注から南北朝經學へ」の公刊

2023年3月発行の『中国思想史研究』44号に、拙著「崔靈恩の『三禮義宗』―鄭玄注から南北朝經學へ」が掲載されております。 崔靈恩の『三禮義宗』という書物について、つらつらと書き連ねたものです。当該号には、中村慎之介氏・工藤卓司氏の論文も載せられて…

おしらせ

書類準備と引越作業で忙殺されていて、今週・来週の更新はお休みします。 四月から東京に引っ越しますので、関東圏にお住まいの方と色々な縁が繋がればと思っております。ぜひ連絡ください! (棋客)

近況

今日は、最近のできごとやニュースを書いてみます。漢文とはあまり関係がないですが、どれも私と個人的に関わりのあるものです。 ①田中圭太郎『ルポ 大学崩壊』 (ちくま新書) の出版 いま、全国各地の大学で起こっているさまざまな問題について、綿密な取材…

新しい一年を迎えました

2023年になりました。中の人のうちの一人は、まだ博士課程で研究を続けています。今年は論文を数本形にできたら、と考えているところです。 昨年の記事を眺めていましたが、章学誠・劉咸炘関係の記事がやたら多いですね。そのわりに、どれも内容が薄いのが残…

「大史書曰、崔杼弒其君」の逸話

中国古典のなかでも屈指で有名な逸話ですね。やはり何度読んでも含蓄があります。 『左伝』襄公二十五年 大史書曰、崔杼弒其君。崔子殺之。其弟嗣書、而死者二人。其弟又書、乃舍之。南史氏聞大史盡死、執簡以往、聞既書矣、乃還。 (訓読)大史 書して曰は…

関西クィア映画祭に行ってきました

先週まで大阪・京都で行われた「関西クィア映画祭」に行ってきました。大阪会場は一日だけ、京都会場は三日間の参加です。とにかく大満足の映画祭でしたので、今日から何回かの記事に分けて、感想を書き記していきます。 kansai-qff.org まず、観た映画をメ…

最近のできごと

最近、なかなか漢文の記事が書けていませんが、あまり気張っていてはブログなんて続きようがないのです(開き直り)。今回も、漢文の記事ではありません。たまには、最近の中の人の様子を書いてみようと思います。 まず、研究方面では、論文と発表に追われて…

ブログ開設四周年を迎えました。

「達而録」を開設してから、丸四年が経過し、五年目に突入いたしました。 奇跡的にも、週一回の更新を落とすことなく、ここまで続けることができました。ひとえに、ブクマ・コメント、Twitterのリツイートやリプなどで反応をくださる読者のみなさまのお陰で…

京大吉田寮について

本ブログの中の人の一人は、縁があって、最近、京都大学の「吉田寮」の存続活動に携わっています。 そもそも「吉田寮って何?」という方は、吉田寮紹介パンフレットの電子版があるので、ちらっと読んでみてください。 www.pamphlet.yoshidaryo.org Twitterも…

新年のご挨拶

2022年がやってまいりました。 読者の皆様のあたたかなご支援に支えられて、昨年も無事に更新を続けることができました。 最近は専門的な記事がやや少なくなっていますが、またバリバリ書いていく所存ですので、変わらず見守っていただけると嬉しいです。 で…

斯道文庫発祥の地はどこ?

いま慶應義塾大学に付設されている「斯道文庫」は、貴重な和漢籍を数多く蔵する、日本で屈指の専門図書館の一つです。 斯道文庫のホームページの説明を借りて、その由来を記しておきます。 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫は、株式会社麻生商店(現・麻生グ…

小島祐馬と大学総長任命権問題

今日は、竹ノ内静雄『先知先哲』(一九九二、新潮社)から、戦中の小島祐馬の活躍ぶりを学ぶことにいたしましょう。本書は、吉川幸次郎・田中美知太郎・小島祐馬といった学者の回想録になっており、他にも面白いこぼれ話が多数記載されています。 ここで紹介…

《我在未来等你》に登場する懐メロ

最近、中国語の勉強を兼ねて《我在未来等你》というドラマを観ていました。 →我在未来等你(2019年薛凌执导的电视剧)_百度百科 あらすじは、自分の人生に後悔を抱えた37歳の大学教員(刘大志)が、20年前の世界にタイムスリップし、自分の未来をより良いも…

マーベルシリーズ「シャン・チー」に出てくる神獣まとめ

先日、マーベルシリーズ最新作の「シャン・チー」を観てきました。 シャンチー(象棋、中国の将棋)を嗜む私は、最初にタイトルを見たとき「完全なるチェックメイト」や「聖の青春」のようなボードゲームを題材にした映画かと勘違いしてしまいました。当然、…

カブール陥落について―杉山正明『ユーラシアの東西』から

8月15日、「カブール陥落」というニュースが世界を駆け巡りました。 私の手元にある杉山正明『ユーラシアの東西―中東・アフガニスタン・中国・ロシアそして日本』(日本経済新聞出版社、2010)のうち、氏の2009年の講演を記録した文章に、アフガニスタンにつ…