老荘・諸子・仏教
岩波書店の「書物誕生―あたらしい古典入門」シリーズより、神塚淑子『『老子』―“道”への回帰』(岩波書店、2009)を読んでいます。今日は、第一部・第二章の「老子と仏教」より、『老子変化経』という本についての一段を読んでみます。 『老子変化経』は、敦…
今回は、入谷仙介『詩人の視覚と聴覚ー王維と陸游』(研文出版、2011)に収められている「隠逸の境地―隠者の苦悩と喜び」を読んでいきます。 以前、『山月記』の最後の詩が、中国における「隠逸」の概念を踏まえて理解するべきものであることを述べました。 …
前回→井筒俊彦「儒教の形而上学におけるリアリティの時間的次元と非時間的次元」(2) - 達而録 井筒俊彦著(澤井義次監訳、金子奈央・古勝隆一・西村玲訳)『東洋哲学の構造 : エラノス会議講演集』(慶應義塾大学出版会,2019)の中から、第六章の「儒教の…
前回→ 井筒俊彦「儒教の形而上学におけるリアリティの時間的次元と非時間的次元」(1) - 達而録 井筒俊彦著(澤井義次監訳、金子奈央・古勝隆一・西村玲訳)『東洋哲学の構造 : エラノス会議講演集』(慶應義塾大学出版会,2019)の中から、第六章の「儒教…
井筒俊彦著(澤井義次監訳、金子奈央・古勝隆一・西村玲訳)『東洋哲学の構造 : エラノス会議講演集』(慶應義塾大学出版会,2019)を読んでいきます。 この文章は、1974年の第43回エラノス会議(テーマ:時代の変化における規範)における井筒俊彦の講演をも…
自宅のプリント整理に勤しんでいたところ、数年前に大学の演習で阮元「性命古訓」を扱った関係で、少しだけ自力で読んでいた阮元「塔性説」のコピーが出てきました*1。少し調べてみると、王國維『靜庵詩文集』にも少し言及がある文章のようです。 論旨が明快…
ここ一年ほど、演習で『荘子』を読んでいる関係で、『荘子』の訳本を色々と見比べる機会が多くありました。もちろん、基本的には『荘子集釋』などから自分なりに訳を作っているのですが、どうにもしっくりこない場合、先人の意見を眺めてみるのも楽しいもの…
こちらも『論語』ほどではないですが、多種に渡っています。『論語』に比べると長い本なので、抄訳もちらほら見受けられます。 ①小林勝人訳、宇野精一訳 有名な話ですが、最も一般に流布している小林勝人訳(岩波文庫、1968)は、批判の多い著作です。吾妻重…