達而録

ある中国古典研究者が忘れたくないことを書くブログ。毎週火曜日更新。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

クェンティン・スキナー『思想史とはなにか―意味とコンテクスト』(2)

★「クェンティン・スキナー『思想史とはなにか―意味とコンテクスト』」の記事一覧:(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7) 前回の続きです。クェンティン・スキナー『思想史とはなにか―意味とコンテクスト』(半沢孝麿・加藤節編訳、岩波…

クェンティン・スキナー『思想史とはなにか―意味とコンテクスト』(1)

★「クェンティン・スキナー『思想史とはなにか―意味とコンテクスト』」の記事一覧:(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7) 本日は、クェンティン・スキナー『思想史とはなにか―意味とコンテクスト』(半沢孝麿・加藤節編訳、岩波書店、199…

三国志にも登場する大学者、「鄭玄」を学ぼう!

…柄にもなく、ポップなタイトルをつけてしまいました。 ここ一か月の間、noteにて、後漢から三国時代を生きた大学者である「鄭玄」について、初学者の方でも分かりやすく読めるような記事を更新しておりました。 note.com ※目次は→『鄭玄から学ぶ中国古典』…

桃崎有一郎「日本「肉食」史の進展に寄せて〈学術雑誌の書評のあり方〉を問う:中澤克昭著『肉食の社会史』を題材に」

今回は、桃崎有一郎氏の「日本「肉食」史の進展に寄せて〈学術雑誌の書評のあり方〉を問う:中澤克昭著『肉食の社会史』を題材に」という論考を取り上げて、私なりの感想を述べたいと思います。 digital-archives.sophia.ac.jp この論考は、前半中澤克昭『肉…

鄭玄が注を書いた順序(3)

前回の続きです。藤堂明保「鄭玄研究」(蜂屋邦夫編『儀礼士昏疏』汲古書院、1986)から、鄭玄の著作の執筆順を考えていきましょう。 残された疑問は、『周礼』『儀礼』『礼記』の三礼注がどの順番で成立したのか、というものです。三礼注が党錮の禁に坐して…

鄭玄が注を書いた順序(2)

先週の続きです。 藤堂明保「鄭玄研究」(蜂屋邦夫編『儀礼士昏疏』汲古書院、1986)から、鄭玄の著作の執筆順を考えていきましょう。今回は、併せて池田秀三「鄭学における「毛詩箋」の意義」(渡邉義浩編『両漢における詩と三伝』汲古書院、二〇〇七)、間…