達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

中純夫『劉宗周の陽明学観について-書牘を中心として-』―論文読書会vol.4

※論文読書会については、「我々の活動について」を参照。 ※本論文はオンライン上で公開されています。 【論文タイトル】 中純夫『劉宗周の陽明学観について-書牘を中心として-』(『陽明学』14号、2002) 【先行研究】 難波征男「劉台念思想の形成―王学現…

勝手気ままな「訳書」紹介―『孟子』

こちらも『論語』ほどではないですが、多種に渡っています。『論語』に比べると長い本なので、抄訳もちらほら見受けられます。 ①小林勝人訳、宇野精一訳 有名な話ですが、最も一般に流布している小林勝人訳(岩波文庫、1968)は、批判の多い著作です。吾妻重…

勝手気ままな「訳書」紹介―『論語』

日原利国氏が「碩学といわれるほどの大先生は、みな『論語』の訳注をされる、と聞かされ」*1たと述べる通り、『論語』の訳本は非常に多く存在します。一般向け・専門向けも入り混じっており、どうまとめるのが良いのか悩みどころ。全てを時代順に並べても、…

勝手気ままな「訳書」紹介―前置き|中国思想の翻訳書について

はじめに 中国思想を専門とする研究室には、よく「良い訳書を教えてほしい」という声が届きます。しかし著名な古典となると数々の学識の高い先生が訳されていますから、一概にどれが良いとは言い難いものです。それは単に訳の良し悪しではなく、元々の方針の…