達而録

ある中国古典研究者が忘れたくないことを書くブログ。毎週火曜日更新。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

古代中国の天子の冕冠―『礼記』玉藻疏から(2)

前回の続きです。『礼記』玉藻の経注の冒頭を再度掲げておきます。 〔経文〕天子玉藻、十有二旒、前後邃延、龍卷以祭。 天子の玉藻は、十二の旒(垂れ紐)が、前後へと延(冕の上に被さっている板)から垂れ下がり、(服には)龍の模様が描かれていて、(こ…

古代中国の天子の冕冠―『礼記』玉藻疏から(1)

久々に、漢文を読んでいきましょう。今回は、『礼記』玉藻の疏を冒頭から読みます。 「玉藻」とは、古代中国の天子が着ける冕冠(かんむり)のことで、玉の飾りがついた五色の紐が、前後に十二本ずつ垂れ下がったものです。『礼記』の玉藻篇は、主にこの冠の…

宮崎市定訳『鹿洲公案―清朝地方裁判官の記録』

『鹿洲公案』とは、特に台湾の統治に力を発揮した、清朝の実務派官僚の代表格である藍鼎元(1680-1733)が、自分が任地で体験した統治・裁判の事例を記録した本です。 そしてこれを翻訳したのが宮崎市定で、平凡社東洋文庫に『鹿洲公案―清朝地方裁判官の記録…

研究者がWikipediaを執筆するとき

本ブログでは、これまでときおりWikipediaの執筆について触れてきました。 特にWikipedia執筆者の方々と交流する会に参加させていただき、自分なりに方針を立てられたのが大きく、これ以後時間を見つけて少しずつWikipediaを執筆しています。 すでに立てられ…