達而録

ある中国古典研究者が忘れたくないことを書くブログ。毎週火曜日更新。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『論衡』の篇数

以前、本ブログで余嘉錫の『四庫提要弁証』を取り上げ、『後漢書』についての『弁証』の内容を確認しました。 余嘉錫『四庫提要辨證』について - 達而録 『後漢書』の来歴(1) - 達而録 『後漢書』の来歴(2) - 達而録 今回は、後漢の王充の『論衡』につ…

【中国哲学史】無料で使える便利なサービスのリスト-オンライン篇(続)

以前、こんな記事を書きました。 chutetsu.hateblo.jp この記事は書き殴りでしたので、少し備忘のために追加しておきます。 13階の17号室(東洋学関係の物置部屋)とてつもなく有用。さまざまなデータベースが分類されてまとめてあります。「やたがらすナビ…

梁鴻『中国はここにある』

梁鴻『中国はここにある』(鈴木将久・河村昌子・杉村安幾子訳、みすず書房、2018)という本を読みました。先日、たまたま著者の方とお会いする機会があり、この本を紹介していただきました。 近代化の矛盾に苦しむ農村に、現代中国の姿を浮かび上がらせ、大…

ベンヤミン著・鹿島徹訳『[新訳・評注]歴史の概念について』(2)

予告していた通り、ベンヤミン著・鹿島徹訳『[新訳・評注]歴史の概念について』(未来社、2015)の内容を少しだけ紹介します。 まず、ベンヤミン『歴史の概念について』のテーゼⅥ(p.49-50)を一部引用します。 過ぎ去ったものを史的探究によってこれとは…