古典辞書・音注
※前回の続きです。この一連の記事は、二年ほど前に執筆して、そのままブログの下書きとして眠り続けていたものです。一部が、以前の記事でお知らせした論文の下敷きになりました。 〔記事一覧〕 梅賾本『尚書』と『経典釈文』(1) - 達而録 梅賾本『尚書』…
※前回の続きです。この一連の記事は、二年ほど前に執筆して、そのままブログの下書きとして眠り続けていたものです。一部が、以前の記事でお知らせした論文の下敷きになりました。 〔記事一覧〕 梅賾本『尚書』と『経典釈文』(1) - 達而録 梅賾本『尚書』…
※前回の続きです。この一連の記事は、二年ほど前に執筆して、そのままブログの下書きとして眠り続けていたものです。一部が、以前の記事でお知らせした論文の下敷きになりました。 〔記事一覧〕 梅賾本『尚書』と『経典釈文』(1) - 達而録 梅賾本『尚書』…
※前回の続きです。この一連の記事は、二年ほど前に執筆して、そのままブログの下書きとして眠り続けていたものです。一部が、前回の記事でお知らせした論文の下敷きになりました。(「劉炫の学問とその書物環境」の公刊 - 達而録) 〔記事一覧〕 梅賾本『尚…
※今回から数回に亘って更新する記事は、二年ほど前に執筆して、そのままブログの下書きとして眠り続けていたものです。一部が、前回の記事でお知らせした論文の下敷きになりました(「劉炫の学問とその書物環境」の公刊 - 達而録)。 論文と重なる所もなくは…
『礼記』楽記篇に、以下のような一節があります*1。 凡音者,生人心者也。情動於中,故形於聲,聲成文謂之音。是故治世之音,安以樂,其政和。亂世之音,怨以怒,其政乖。亡國之音,哀以思,其民困。聲音之道與政通矣。 福永光司『芸術論集』(吉川幸次郎・…
本ブログでは、たびたび『説文解字』の版本に関する話をしてきました。 chutetsu.hateblo.jp 今回は、倉石武四郎の「清朝小学史話」(『漢字・日本語・中国語 倉石武四郎著作集第二巻』くろしお出版、1981)のp.302~p.306から、清代における『説文』小徐本…
『説文解字』一篇上・門部「閏」 閏,餘分之月,五歲再閏也①。告朔之禮,天子居宗廟,閏月居門中。从王在門中。《周禮》:閏月王居門中終月也②。 【校勘】 ・「五歲再閏也」,大徐本、小徐本無「也」字。 【訳】 「閏」とは、付け足される月のことで、五年の…
先日、木津祐子先生の論文「京都大学蔵王筠校祁寯藻刻『説文解字繫伝』四十巻について」(『汲古』78号、p.21-28、2020-12)に、本ブログへの言及があると知り合いに教えていただき、驚きでひっくり返りました。確認してみると、筆者が以前書いた記事の誤謬…
日頃「経書」を読む者にとって、『経典釈文』における「多音字の読み分け」というのは、否が応にも意識させられる話です。 『釈文』とは、六朝時代、陳末隋初の頃に作られた、経書の文字に発音を附した本です。そして、意味によって発音が異なる漢字には、き…
最近、礼学上の大きな問題の一つである「禘祫」の祭祀について概要を整理する機会があったので、こちらに残しておきます。前回までは部屋の扉と窓とかいうかなり細かい話をしていましたが、「禘祫」は歴代の学者が必ず言及しているといってもよいぐらいに重…
本ブログでひそかに力を入れて調べていることの一つに、『説文解字』の版本に関する整理、またオンライン上での公開画像データの整理があります。 chutetsu.hateblo.jp chutetsu.hateblo.jp これらの記事のコメント欄で、鈴木俊哉先生より、関連するデジタル…
以前、『説文解字』公開画像データの一覧を整理しました。 chutetsu.hateblo.jp この後、多くの方よりコメントを頂き、色々と修正が必要なことが明らかになりました(コメント、本当にありがとうございます)。というわけで、今回はその修正版です。あくまで…
久々に、専門的な内容で書いてみます。『尚書』の以下の一節について。 『尚書』益稷(阮元本・巻五・四葉裏) 予欲觀古人之象、日月星辰山龍華蟲、作會。宗彝藻火粉米黼黻、絺繡。 句点の区切り方は諸説あるようです。本題にこの内容はあまり関わらないので…
※本記事の修正版を書きましたので、今後はそちらをご参照ください!!!(2019/12/9) chutetsu.hateblo.jp 以前、『説文解字』に関して、このような記事を書きました。 chutetsu.hateblo.jp この記事でも少し触れましたが、『説文解字』の版本の変遷という…
前回の続きです。 『説文解字注』一篇上 一、惟初大極、道立於一、造分天地、化成萬物。 前回書いたように、『説文入門』での結論は「唐石經・岳本・釋文所據など、『易』として古い系統のものは「太」でなく「大」であるから、段氏は「大」の字を用いたのだ…
『説文解字』並びに段玉裁『説文解字注』に関する、“高度に学術的な入門書”(語義矛盾にあらず)といえば、頼惟勤先生の監修にかかる『説文入門』(大修館書店、1983年)が有名です。参照→『説文入門』 | 学退筆談 本書の第三章「段注の実際」の第三節は「段…
前回の記事について、有志の方より、「『経典釈文』の単行については、清初の頃から知られていたのではないか」とコメントを頂きました。少し調べてみたところ、あくまで一例ですが、以下のような言及例がありました。 顧炎武『亭林文集』巻二 音學五書後序 …
現在は経・注・疏が合刻された形で見ることの多い「十三経注疏」ですが、かつては「疏」は単行していたことがよく知られています。一般に「単疏本」と呼称される形態です。 では、清朝考証学者の間で、この「疏の単行」を最初に取り上げたのは誰だったのかと…