2019-01-01から1年間の記事一覧
第十五回。よ~やく最終回が近付いてまいりました。 これまで紹介してきた建築物は、いずれも清代のものが主でした。しかし、智化寺は、明代建築がほぼ完存している数少ない場所になります。実は、旅行の初っ端に行った観光地がここだったので、行った時には…
年の瀬も近くなってまいりましたが、今年も中国学界隈から、多数の良著が出版されました。そのうち、高い質を備えながらも、初学者でも気軽に読めるような本をピックアップしてご紹介いたします。 私自身が入手して読んだ本に限定して紹介していますので、他…
第十四回。中哲ブロガーですから、書店にもあちこち行ってきました。ただ、事前に教わったところ全てには行けなかったのですが…。 ①万聖書店 清華大と北京大の間にある本屋。中はかなり広いです。分野を問わず、専門書が豊富に置いてあります。何時間でも時…
第十三回。マンネリ感が出てきて読者の皆様どころか我々も飽きてきたので、流行のアレで記事を書いてみます。 夜はがっつり中華料理を食べていたのですが、油っこいもの、味の濃いものが多いので、自然と軽いものを求める気持ちも芽生えてきます。そんな時、…
第十二回。徐々にマニアックになってきます。 今回は、北京明城墻遺跡公園をご紹介。その名の通り、明代の城壁、つまり明代の北京の街の内部と外部を分ける境界に行ってまいりました。 全然人がいない。…のですが、徐々に北京の地理感覚が身に付いてきていた…
北京・天津旅行レポの第十一回。今回は天壇公園・北海公園・中山公園を紹介します。訳あって同時に紹介しますが、別に近隣にあるというわけではありません。 さて、北京を紹介する際、時々「三山五園」や「九壇八廟」という言葉が使われることがあります。 …
記念すべき(?)第十回は、天安門広場と故宮の写真を紹介。 第四回で紹介した前門大街を北に進むと天安門広場の南側の正陽門にたどり着きます。そのまま中を進むと故宮、更に故宮を抜けると景山公園に繋がっています。 ①天安門広場 正陽門。人が多いので、入…
以前、『説文解字』公開画像データの一覧を整理しました。 chutetsu.hateblo.jp この後、多くの方よりコメントを頂き、色々と修正が必要なことが明らかになりました(コメント、本当にありがとうございます)。というわけで、今回はその修正版です。あくまで…
北京・天津旅行レポの第九回。まとめるのに疲れてきたので、今回は適当に街の写真を並べてみます。 別に、猫の写真で読者を釣ろうとしたわけではありません。
北京・天津旅行レポ、第八回。10日間も行っているので、なかなか終わりが見えてきません。徐々に文章が減っている感じもありますが、気にしないでください…。 今回は、どれも近隣にあってセットで観光しやすい雍和宮・孔子廟・国子監跡をご紹介。 ①雍和宮 康…
北京・天津旅行レポの第七回。お待ちかねの万里の長城です。 一口に万里の長城と言っても色々な場所があるのですが、今回は最もメジャーな「八達嶺長城」に行ってきました。北京市街地から三時間ほど。バス、電車のどちらでもそれほど時間は変わりません。 …
北京・天津旅行レポの第六回。今回は、北京屈指の名所である頤和園・円明園をご紹介! ①頤和園 例によって乾隆帝によって作られた頤和園。アロー戦争で英仏軍によって破壊された後、光緒帝のもと再建されて今に至り、世界遺産に登録されています。 人気スポ…
北京・天津旅行レポの第五回。今回は、北京の西南にある盧溝橋をご紹介します。 盧溝橋は、北京の中心地から地下鉄とバスを乗り継いで1時間半ほどで着きます。近辺には宛平城、抗日戦争紀念館もあり、充実した観光めぐりができます。 ①盧溝橋 盧溝橋は、北京…
北京・天津旅行レポの第四回。なお、それぞれ思いついた順に書いているので、実際の旅行の行程とはあまり関係がありません。 今回は、前門大街、大柵欄、琉璃厰といった辺りの写真をご紹介。泊まったゲストハウスが大柵欄にあり、この辺りは徒歩圏内でした。…
北京・天津旅行の第三回。中哲ブロガーらしく、国家図書館に行ってきましたので、そのレポートです。 ①国家図書館 イマイチな写真しかありませんでしたが、北館・南館に分かれていて、非常に規模の大きい図書館です。水など荷物は持ち込めるものが少ないので…
久々に、専門的な内容で書いてみます。『尚書』の以下の一節について。 『尚書』益稷(阮元本・巻五・四葉裏) 予欲觀古人之象、日月星辰山龍華蟲、作會。宗彝藻火粉米黼黻、絺繡。 句点の区切り方は諸説あるようです。本題にこの内容はあまり関わらないので…
北京・天津旅行振り返りの第二回。今回は、実際に使った交通手段をまとめておきます。 ①高速鉄道(高鉄) 飛行機の格安便は「天津着」ということがよくありますので、北京に行く場合は移動が必要になります。天津から北京までは、高鉄(日本でいう新幹線)で…
さて、Twitterでは時々つぶやいていましたが、2019/10/18-10/28の間、本ブログの中の人二人で、北京・天津へと旅行に行ってきました! 写真を沢山撮ったので、忘れないうちに振り返っておこうと思います。 第一回は、食事篇になります。 旅行中に食べた思い…
前回の続き。以下は全て王引之の書いたところです。 引之謹案、用者、施行也。【原注:『説文』「用、可施行也。」】「勿用」者、無所施行也。文言曰「潛之為言也、隱而未見、行而未成、是以君子非用也。」正謂君子不施行也。孔穎達『正義』曰「聖人雖有龍德…
先日、中国に行って参りました。その訪問記を現在執筆中ですが、まだ完成していないので、とりあえず最近読書会で読み進めた文章をそのまま載せておきます。ちなみに、読書会は外部の方を交えて夏休みの間に開催しておりました。 以下の記事に引き続き、王引…
※本記事の修正版を書きましたので、今後はそちらをご参照ください!!!(2019/12/9) chutetsu.hateblo.jp 以前、『説文解字』に関して、このような記事を書きました。 chutetsu.hateblo.jp この記事でも少し触れましたが、『説文解字』の版本の変遷という…
前回の続きです。 『説文解字注』一篇上 一、惟初大極、道立於一、造分天地、化成萬物。 前回書いたように、『説文入門』での結論は「唐石經・岳本・釋文所據など、『易』として古い系統のものは「太」でなく「大」であるから、段氏は「大」の字を用いたのだ…
『説文解字』並びに段玉裁『説文解字注』に関する、“高度に学術的な入門書”(語義矛盾にあらず)といえば、頼惟勤先生の監修にかかる『説文入門』(大修館書店、1983年)が有名です。参照→『説文入門』 | 学退筆談 本書の第三章「段注の実際」の第三節は「段…
最近、訳あって銭大昕「與段若膺論尚書書」を読んでいます。これは銭大昕が段玉裁と『尚書』に関して議論を交わした書簡であるということで考証学史において重要であると同時に、内容自体もなかなか興味深い書簡です。 もとは、四部叢刊本『潜研堂文集』で読…
ここ1~2年の間、ネット上の中国学界隈で、色々と新しい企画が始動しています。私が直接見知った人が行っているものだけでも、このようなものがあります。 ・東洋史の院生botさん:「宮崎市定『科挙』を読む会」等の読書会。・中国史史料研究会さん:学会…
中哲ブログということで、前回までの記事の中に出てきた「典拠のある言葉」を、少し振り返ってみましょう。第1回はこちら。第2回はこちら。 まず、修猷館の「修猷」という言葉。これは『尚書』 微子之命の一節を踏まえる言葉です。修猷館高校の公式サイトに…
前回の続き。同じ部分図を掲げておきます。全体は→[福岡城下町・博多・近隣古図] - 九大コレクション | 九州大学附属図書館 今回は地図の下側に見える「今川橋(旧今川橋)」が出発地点。 今では「裏通り」と呼ばれ、写真でも完全な裏道に見えるこの道、実…
つい先日、研究室に届いた雑誌『斯文』134号を見ていたところ、牧角悦子氏の「鎮西の儒侠・亀井南冥の為人と学問」(オンライン公開なし)という文章に出くわして、大変驚きました。 というのも、中の人の一人の実家近くに亀井南冥のお墓があり、幼いころか…
一年ほど前の話になりますが、京都大学文学研究科中国哲学史研究室の発行する学術雑誌『中国思想史研究』が、京都大学学術情報リポジトリ「KURENAI」にてオンライン上で公開されました。(現時点では未公開の論文もかなり多いです。特に古いもの。) リポジ…
前回の続きです。 回りくどい話をしてきましたが、ここで登場するのが、丁杰(乾隆3年-嘉慶12年、1738-1807)です。まずは伝記資料から、彼の功績を確認してみましょう。 『文獻徵存録』卷七 丁杰、字升衢、歸安人。少以清苦建志、家貧不能得書。日就書肆中…