達而録

ある中国古典研究者が忘れたくないことを書くブログ。毎週火曜日更新。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

小倉芳彦『古代中国を読む』

前回、小倉芳彦『古代中国を読む』(岩波新書、1974)・(論創社、2003)を話題に出すに当たって、数年ぶりに読み返してみました。やはり、何度読んでも面白いものです。 折角ですので、少し引用しながら紹介してみます。 前回、この本は「小倉氏の研究者と…

『左伝』の訳書と概説書の紹介

とある方にリクエストを受けて、『春秋左氏伝』の訳書や概説書の手引きを作ってみることにしました。(この方の学識には及ぶべくもないのですが、何故私が…。)週一回更新を守りたいのですが常にネタ切れ気味ですので、何か良いネタがありましたら教えてくだ…

おすすめ動画:梁文道「一千零一夜」

本日は一休みして、個人的におすすめの動画をご紹介します。 それは、梁文道氏の「一千零一夜」シリーズです。Youtubeに、优酷の公式アカウントによってアップロードされています。 梁文道氏は香港出身の文人で、非常に幅広い知識を持ち、過去に数多くの論稿…

考証学における学説の批判と継承(5)

前回の続きです。問題となる疏文を再度掲げておきます。 『尚書』堯典(阮元本『尚書注疏』卷二 三葉上) (疏)以庸生賈馬之等、惟傳孔學經文三十三篇、故鄭與三家同以爲古文、而鄭承其後、所註皆同賈逵馬融之學、題曰古文尚書、篇與夏侯等同。而經字多異、…