最近、Visual Studio Codeを導入し、Markdown形式で論文を書き始めた。Git/GitHubと連携させているので、加筆した際の差分(Diff)を系統的に確認できることと、簡単にクラウド上にバックアップできるのが便利だ。
導入時点で大きく不満だったのが、デフォルトの日本語文字フォントが見にくいこと、Markdown形式の注釈が面倒かつ見にくいこと、の二点だった。
設定をいじって少し改善できたので、メモしておく。もっといい方法があるかもしれないが。
私の場合、ややこしい漢字をたくさん使って長々と文章を書いていく必要があるので、フォントはかなり重要だ。特にユニバーサルデザインの字体である「BIZ UD明朝」が圧倒的に読みやすいと感じるので、デフォルトの字体をこれに変更したかった(博論もこの字体で印刷しようと考えている)。この変更は、「基本設定:ユーザー設定を開く(json)」に以下のように書くことで実現できる。
"editor.fontFamily": "Consolas, 'BIZ UD明朝', 'Courier New', monospace",
次に、Markdownの注釈が書きにくい問題。Markdownで注釈は、文中の注釈を入れたい箇所に「[^注釈名]」のように書いて、それに対応する注釈を、行を開けて「[^注釈名]:」と書いてその続きに書く。「注釈名」のところは識別子になっていて、何でも自分で決めてよい。逆に言えば、識別子を自分で決めて、かつ注釈を入れる場所を別にしてわざわざ書かないといけないので、この点はよくあるエディターで書くよりも少し面倒だ。
これは少し面倒な程度でそこまで大きい問題はないのだが、エディターで眺める時にどこが注釈なのか直観的に分かりにくいのは問題が大きい。なので、markdownの注釈行の文字色を変えたいと考えた。
これは、「Highlight」という拡張機能を入れて、同じくユーザー設定のjsonに以下のように書くと、実現できる。このコードは、Markdown形式のファイルにおいて、「[」から始まる行の文字色を変えるように指定するものである。(だから、Markown形式ファイルに、注釈以外で「[」から始まる行があった場合、その色も変わってしまうことになる。ただ私の場合はまず有り得ないので問題ない。)
"(\n\\[\\S+.+)": { "filterLanguageRegex": "markdown", "decorations": [ { "color": "#bb9600", } ] }
ちなみに、「Highlight」という拡張機能は、自分で設定した言葉を色付けして表示することができるようになる。指示代名詞、算用数字、よく出てくる固有名詞などを設定しておくと便利だ。
以上の設定を経て、いまのエディター画面はこんな感じになっている。
最後、Markdownでの注釈の作りにくささえ何とかなれば言うことなしなのだけど、何かいい方法はないだろうか…。
ほか、現時点で自分が使っている主な拡張機能は以下。
- vscode-pandoc
- Markdown形式のファイルをword形式に変換する機能。
- Markdown Preview Enhanced
- Markdown形式で書いたファイルのプレビューをすぐできるようになる。見出しや注釈が整形されて表示されるので、全体の見直しに便利。
- Markdownlint
- Markdown記法のチェックをしてくれる。
- Wikitext
- Wikipediaの執筆を手元でするときにとても便利。
他にも色々な拡張機能がある。以下のページも参照するとよいだろう。自分の手でどんどん便利にしていけるのがVS Codeのよいところだ。
- windowsにおける最強の執筆環境、それはvscode + githubである|みそら
- 【VS Code+Markdown】執筆をラクにするオススメ拡張機能10選 - DOT ENGINEER BLOG
- VSCodeを使った小説書きツール novel-writer がよいかんじ!|神楽坂らせん
(棋客)