達而録

ある中国古典研究者が忘れたくないことを書くブログ。毎週火曜日更新。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

アンリ・マスペロ『道教』(2)

次回に引き続き、アンリ・マスペロの名著『道教』(川勝義雄訳、平凡社東洋文庫329、1978)を読んでみます。 もし道教徒が仏教徒と同じくらい細心で、六世紀初頭以来、かれらのコレクションに関する一連の古い目録をすべて保存していたとすれば、われわれは…

アンリ・マスペロ『道教』(1)

今回は、アンリ・マスペロの名著『道教』(川勝義雄訳、平凡社東洋文庫329、1978)を読んでみます。アンリ・マスペロは、1883年生まれのフランス人の東洋学者です。道教・仏教・中国古代史のほか、ベトナム史やベトナム語など、幅広い分野において研究を進め…

中国史関係のWikipedia「秀逸な記事」「良質な記事」の紹介

本ブログでは、過去たびたびWikipediaに触れておりまして、筆者もときおりWikipediaの執筆に参加するようになりました。徐々に機能にも慣れてきましたし、執筆者の方々の顔ぶれも何となく頭に入ってきました。 今回は、日本語で書かれた中国学関係のWikipedi…

濱口富士雄「戴震と王引之の同条二義の訓詁」

論文読書会にて、濱口富士雄『清朝考拠学の思想史的研究』(国書刊行会、1994)の「戴震と王引之の同条二義の訓詁」を読みました。 テーマは『爾雅』の以下の一条。 『爾雅』釋詁 台、朕、賚、畀、卜、陽、予也。 「台」、「朕」、「賚」、「畀」、「卜」、…