達而録

ある中国古典研究者が忘れたくないことを書くブログ。毎週火曜日更新。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

王応麟『困学紀聞』について(1)

いま、大学の演習で『困学紀聞』を読み進めています。折角ですので、この本についての概要(今回)と、版本について(次回)まとめておきます。 まず、「四庫提要」の『困学紀聞』の条を読んでおきましょう(一部省略してます)。なお「四庫提要」の全文は、…

洪誠『訓詁学講義』より(4)

今回も、洪誠(森賀一恵・橋本秀美訳)『訓詁学講義―中国古語の読み方 (中国古典文献学・基礎篇)』(アルヒーフ、2004)から、気になる条を取り上げていきます。今日は、第四章「注を読む」の「二、文字の読みかえと校正の方式」から、「段玉裁の想定した…

洪誠『訓詁学講義』より(3)

今回も、洪誠(森賀一恵・橋本秀美訳)『訓詁学講義―中国古語の読み方 (中国古典文献学・基礎篇)』(アルヒーフ、2004)から、気になる条を取り上げていきます。今日扱うのは、第四章「注を読む」の「三、注文を誤解してはいけないし、誤信してもいけない…

洪誠『訓詁学講義』より(2)

前回に引き続き、洪誠(森賀一恵・橋本秀美訳)『訓詁学講義―中国古語の読み方 (中国古典文献学・基礎篇)』(アルヒーフ、2004)から、気になる条を取り上げていきます。 今回は、第三章「閲読に必要とされる基本原則」第七節「構文規則」のうち、「五、古…