2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧
江原由美子「『差別の論理』とその批判―『差異』は『差別』の根拠ではない」(『増補 女性解放という思想』ちくま学芸文庫、2021)、今回はp.122-128を読んでいく。 ※前回→江原由美子「『差別の論理』とその批判―『差異』は『差別』の根拠ではない」(1) - 達…
江原由美子「『差別の論理』とその批判―『差異』は『差別』の根拠ではない」(『増補 女性解放という思想』ちくま学芸文庫、2021、初出1985)を読んだ。本著は、そもそも「差別」とは何かということを論じる論文で、流れるような緻密な論理展開から、「差別…
数回前の記事で、近年の中国学研究における異性愛規範・性愛規範の批判や、ジェンダー史研究の批判を試みたいという話を書いた。今回は、自分が具体的にどういうところに違和感を持っているのか、実際の研究を取り上げてみたい。 今回は、川合康三「中国文学…
前回の続きで、橋本秀美『論語―心の鏡』(岩波書店、2009)の内容面(つまり橋本先生の解釈の実践)についてもう少し考えてみる。かなり批判的な言及になったが、本著が『論語』と中国古典の解釈の営みを見事に言語化した名著であり、初学者の方に勧めたい本…
前回の続きとして、そもそも(中国)古典を解釈するとはどういうことか、ということについて、橋本秀美『論語―心の鏡』(岩波書店、2009)を見ておく。以下は、王念孫の経書解釈法について論じた一段の、まとめとなる部分である。(p.163-164) 結局、解釈にお…
突然だが、最近、自分の研究の今後の方向性をあれこれ考えている。内容的に、相談できる相手もあまり思い浮かばないし、ここに放流しておきたい。 私の博論のテーマは、後漢の鄭玄とその後の経学の展開(義疏など)についてである。色々なことを書いたのだが…
前回に続いて、小松原織香『性暴力と修復的司法:対話の先にあるもの』を読み進めていく。今回は、第三章「「対話する主体」と性暴力」を中心に紹介していく(p.97-)。論旨としては、性暴力被害者は「語る主体」になることで、回復する主体・告発する主体・…