達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

国立大学法人法改正案について

 先週、参院本会議にて、国立大学法人法の改正案が可決されました。大雑把な経緯や改正案の内容については、この改正案に対する反対署名を集めているサイトに詳しいです。→オンライン署名 · 大学の自治に死刑を宣告する国立大学法人法「改正」案の廃案を求めます ―「稼げる大学」への変質を求める大学政策の根本的転換を! · Change.org

 私は先月末、国立大学法人法「改正」に反対する学生有志(https://linktr.ee/kokudaihoustudentsnetwork)による説明会に参加し、数多くの有志の教員や学生の発表を聞いてきました。本ブログの読者のみなさんにも情報を共有したいと思い、ざっとまとめておきます。

 まず、大手メディアの記事をいくつか挙げておきます。

 また、この改正案をめぐっては、さまざまな当事者団体によって反対の声明が出されています。どの声明も問題点を分かりやすく解説していますので、合わせて参照ください。

 簡単に言えば、東京大学・東海国立大学機構(名古屋大学岐阜大学)・京都大学大阪大学に対して、委員の任命には文科大臣の承認が必要である「運営方針会議」が設置され、大学の大きな方針や予算・決算を決定する権限が与えられます。(すでに崩壊しかかっている)「大学自治」を、組織の面から壊していくような法案です。

 また、この法案でもう一つ問題なのは、大学による債券の発行や土地の貸付を緩和することです。大学の土地を事業者に貸して、利用者による費用負担が必要な施設を作って、儲けを出すということがより増えていくでしょう。教職員・学生のための福利厚生施設は、これまでもすでに削られ続けてきましたが、今後はますます手薄になっていくかもしれません。

 法案は成立してしまいましたが、再度の改正は当然可能です。今後も声を上げ続けることが大切です。

(棋客)