達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

「達而録」活動記録

 ここ1~2年の間、ネット上の中国学界隈で、色々と新しい企画が始動しています。私が直接見知った人が行っているものだけでも、このようなものがあります。

東洋史の院生botさん:「宮崎市定科挙』を読む会」等の読書会。
中国史史料研究会さん:学会「中国史史料研究会」の運営、会報・会誌の発行。
東京大学漢詩研究会さん漢詩の創作、鑑賞サークル。『楚辞』の読書会。

 これはほんの一部の紹介で、他に少し調べただけでも、三国志漢詩、書道、漢方医学、小説・イラスト創作など、相当に広範囲で企画が試みられています。このようなネット上での交流の試み、まとめてリストにしてみると面白いかもしれませんね。

 さて、我々「達而録」グループも、いかんせん地味ではありますが、読書会なら負けてはいません!! そしてアピール不足は否めませんが、他の活動も色々やっています!! ということで、本ブログ開設後の活動を、備忘録の意味も兼ね、振り返ってみようと思います。

①漢文の読書会(原典の講読)

・研究室の学生同士の読書会:『日知録』、『世説新語』、『中庸』の新注・古注読み比べ(これはある先生の主催)など

・外に開かれた読書会:『文選』(学部生や国文関係の院生が参加)、『左伝旧疏考正』と『尚書古文疏証』(東洋史の学部生が参加)、『経義述聞』(外部の方が参加)など

 このうち現在進行中のものは、『中庸』の新注・古注読み比べと、『経義述聞』読書会です。また、いつ何が始まるか分かりません。外部の方が参加される際、直接その場に来られない時には訳文や資料をデータで送付し、エア参加して頂いていることもあります。この辺りは、試行錯誤しながら良い形を探っているところです。

②論文読書会

 研究室の学生と、ころころメンバーが替わりながら実施中。このブログのカテゴリー「論文読書会」に入っている記事は、この時のレジュメを整理したものです。
 去年は相当ストイックにやっていたのですが、今年に入ってから数回しかできていないので、復活を目論んでいるところです。論文を読み、要点を整理し、その批判を行うという作業は、論文を「書く」上で必要不可欠なことだと思っています。

 以上が読書会関係のもの。まとめると何だか少なく見えますが、それぞれ数回以上はやっていることを考えると、なかなかの数ではないでしょうか。

③本ブログの執筆

 そこそこの量の文章を、できる限り分かりやすく、質を保って書こうと試みています。読者の方やブックマーク、スターの数も徐々に増えてきて、嬉しい限りです。実際に上手くいっているかは分かりませんが、このぐらいの記事を週に一回というのは、実はなかなか大変です。
 例えば、中国古典の翻訳書の紹介記事などは、アクセス数もそこそこ多いようです。少しでも皆様の参考になっていれば良いのですが…。

④『中国思想史研究』廃棄本の配布

 これは純粋なボランティアで個人的に行った作業で、もう廃棄分の処理は終了しているので、今後はもう何もできることはありません。しかし、数日間の猶予の中で、曲がりなりにも千冊以上の本を救うことができました。オンライン公開されている論文は半分以下という状況ですから、貴重なものを残すことができたと思っています。

 もし本の妖精がいるのであれば、いつか我々を救ってくれるのではないでしょうか?

⑤「達而録」会議

 中の人やその関係者が集うただの飲み会…ではありません。苦境にあえぐ文系研究者が、今後いかに生き残っていくべきなのか、お酒の勢いに任せ議論しています。先日、その様子をツイッターライブにて実況してみました。前回は本の紹介をしただけですが、また機会があればやってみたいと思います。

 さて、実はこのブログも、そんな「語り合い」の中から生まれた場所です。正直に言えば、「瓢箪から駒」で始まったものです。当初は、日頃のちょっとした勉強の成果を、どのように文章にして「発信」してゆくのが良いのか、手探りで進めながらその技術を身につけようという算段でした。
 少しずつ板に付いてきた感じもするので、そろそろ次のステップ、つまり「研究者として、今後いかに生き残っていくべきなのか」というところへ進んで、色々考えているところです。これは上品な言い方で、結局は「自分の研究を、どうやってお金に換えていくか」ということになるわけですが、そのためにはまだまだ足りない所が多いのも現実です。これは「能力不足」というのがもちろん最も大きな要因ですが、「どのような場を設ければ、それが実現できるのか」というアイデアが足りていない、という面もあります。

 まず第一歩ということで、Amazonのほしいものリストを公開します!

 加えて、半年後を目途に、ある企画を準備しているところです。それまでしばらく、今まで通り「地味」な活動が続きますが、応援よろしくお願いします。