先週の続きです。Wikipedia執筆の際、迷った個所をメモしておきます。
②出典の書き方
もう一つの悩みは、「出典を何から引っ張ってくるか」ということです。原典や正史の原文を引くか、辞書の記述を引くか、概説書・研究書の記述を引くか、何が適切なのかよく分かりません。例えば、私が加筆した「五経正義」の記事を見てください。(ちなみに現時点でのこの記事は、于志寧らによる刊定に触れるつもりでまだ書けていません。)
出典として、『北史』儒林傳上、『舊唐書』儒學傳上、福島吉彦先生の論文、野間文史先生の論文などが引かれています。
「編纂者」の章の顔師古のくだりを除けば、ここに書かれている事柄は全て原典や正史の原文から引いてくることができるでしょう。逆に、両者の論文だけを使って、同じ内容を記述することもできます。つまり、現状ではかなり雑然とした引用の仕方になっているわけで、仮に論文で上の記事のような参照を付けていたら、間違いなくお叱りを受けます。
これについては、やはり上の記事のような状態では違和感がありますし不親切ですから、基本的には現代の書籍・論文・辞書から引用するように統一したいと思います。
ただ、あまり統一することにこだわってもなあ…という迷いもあります。もちろん全部原典にしてしまうと、漢文が読めない人は、そこから先のことを調べることができなくなってしまいますので、控えるべきでしょう。かといって、全て研究書にしてしまうのも、あまりに常識的な事柄の場合など、何から引用するべきか難しいです(原典なら一発です)。結局私一人が編集するわけではないので、勝手にルールを決めてもしょうがないというのもあります。
まあ、脚注の引用表示に、原文があったり辞書があったり研究書があったりしても、それはそれで紹介される文献が増えるわけで、気にしすぎなくてもいいのではないでしょうか(専門外の別書からの引用は、そこからその本を調べても先のことが分からないので、控えるべきかと思いますが)。
こういう細かいことになってくると、どう工夫すればその後様々な人が編集しても雑然としないようにできるのか、なかなか難しいですね。
(棋客)