達而録

中国学を志す学生達の備忘録。毎週火曜日更新。

慶應義塾大学斯道文庫蔵『論語義疏』、影印本発売開始!

 本ブログでは、慶應義塾大学斯道文庫による『論語義疏』古写本の発見について、これまで何度か取り上げてきました。

 このたび、勉誠出版よりこの本の影印本が出版されましたので、みなさまにご紹介しておきます。

『慶應義塾図書館蔵 論語疏巻六 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫蔵 論語義疏 影印と解題研究』

目次

前言 佐藤道生

◎影印
慶應義塾図書館蔵 〔南北朝末隋〕写本『論語疏』巻六
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫蔵 文明十九年写本『論語義疏』

◎解題研究
慶應義塾図書館蔵 〔南北朝末隋〕写本『論語疏』巻六 解題 住吉朋彦
 附 橋本経亮編『遠年紙譜』所収「皇侃義疏料紙」について 一戸渉
慶應義塾圖書館藏 〔南北朝末隋〕寫本『論語疏』卷六 翻印竝に校記 種村和史
 附 慶應義塾大學圖書館藏 『論語疏』卷六 校記舉例 義疏の部 種村和史
慶應義塾図書館蔵〔南北朝末隋〕写本『論語疏』巻六 清家文庫本校記 齋藤慎一郎
 附 慶應義塾図書館蔵 『論語疏』巻六の文献価値―日本漢学研究資料としての特色 齋藤慎一郎
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫蔵 文明十九年写本『論語義疏』 解題 住吉朋彦
 附 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫蔵 旧鈔『論語義疏』伝本解題 住吉朋彦

 隋代のものとされる例の新出写本の影印が載せられているのはもちろんのこと、文明十九年写本の『論語義疏』がセットになっているのが嬉しいところ。実は『論語義疏』の写本の影印本が出版されること自体が初めてなのです(オンライン上で公開されているものはいくつかあります)。

 この本を少し閲覧する機会に恵まれたのですが、新出写本はフルカラー・原寸大で載せられており、素晴らしい出来栄えです。専門に研究する方は必買の一冊と言えるでしょう。