達而録

ある中国古典研究者が忘れたくないことを書くブログ。毎週火曜日更新。

政治

「憲法九条は日本を守っている」と言えるのはなぜか

この記事は、「憲法九条は日本を守っている」という理屈が綺麗事に聞こえるという人や、「国防のためには、戦争できると相手国を脅すことが必要」と考える人、また「そもそも憲法九条ってなんだっけ?」という人に向けて書いたものです。 または、そういう人…

日記(2026.1.23-2026.2.1)

最近の出来事。日記。トピック別。 ◆『いやはや熱海くん』 先日遊びに来た友達が、『いやはや熱海くん』という漫画が大好きで、貸してくれたので、あらためて読み直した。 熱海くんは学年イチの美形で、惚れっぽくて、男の人が好き。 「僕の顔が良いばっかり…

「こころの時代〜宗教・人生〜 徹底討論vol.12 宗教は戦争にどう関わってきたのか(後編)」の感想

NHKの番組「こころの時代〜宗教・人生〜 徹底討論vol.12 宗教は戦争にどう関わってきたのか(後編)」を見ました。戦前~戦後にかけての、日本列島で活動していた宗教団体が、戦争とどのように向き合ってきたのかという点について、特に宗教団体の戦争協力に…

9月7日は沖縄市民平和の日

今日、9月7日は、沖縄市民平和の日だ。沖縄戦が公式に終結してから八十年の節目を迎えることになる。この機会に、最近よく聞く「戦後八十年」という言葉について考えていることをつらつらと書き連ねておきたい。 ◆戦後八十年 「戦後八十年」という言葉に、何…

高橋和巳『邪宗門』(1)――左派と宗教

最近、友達に勧められて高橋和巳『邪宗門』を読んだ。『邪宗門』は、1900年頃から1945年までに存在した「ひのもと救霊会」という架空の宗教教団が、始まってから終わるまでを群像劇風に描いた作品である。フィクションではあるが、戦前から戦後にかけての史…

日記(2025.7.21-2025.7.31)

2025.7.21 出張で京都に来た。暑い。暑すぎる。そして人が多すぎる。観光客を増やしても、必ずしも地元で生活している人の所得が上がるわけではないし、その地域の税収増につながるわけでもない。もちろん、土地に外から人が来ること自体は色々な意味で重要…

日記(2025.7.10-2025.7.21)

2025.7.10 出身校で授業をするという機会があった。5人ぐらいしか来ていなかったけど、なんとなく感慨深いものがあった。ようは「教える側」になったという感覚。教える側に回っても学ぶことだらけというのは本当のことで、自分は「教える側」だという自認は…

「思想強い」って他人に言う人、めっちゃ思想強くねって話

以下の文章は、「思想が強いね」とか「政治的意見は怖い」と感じる人と、どう対話の糸口を掴むかってことを目的に書いたもの。あまり原則的な議論にはなってないけど、誰かがどこかで使える言葉があれば、と思って書いた。 先日、バーで隣になった人が、「戦…

日記(2025.6.25-2025.7.6)

2025.6.25 先週京都に出張した時、数人の友達の相談に乗った。色んな話ができた。話を聞き過ぎるとパンクしてしまうことを自覚して、ほどよく私自身の話もできるようになってきて、だいぶ自分も楽できるようになってきた。自己開示、本当に大事。私は信頼で…

SPRING制度の外国人排除に反対します

以下の声明に署名しました。(誰でも、メールアドレスさえあれば署名できますので、ぜひお願いします。一分で終わります) www.change.org ◆ 私たちの要求 SPRING制度における生活費支給からの「外国人排除」を撤回してください。 国籍(、在留資格)や出自…

何春蕤「左翼からクィアへ:米国同性愛運動のクィア化」を読む

今回は、前回触れた何春蕤「左翼からクィアへ:米国同性愛運動のクィア化」を読んでみる。 なお、原題は〈從左翼到酷異:美國同性戀運動的酷兒化〉である。ちなみに「酷異」も「酷兒」も「queer」の翻訳のはずだが、なぜタイトルで二種の訳語が同時に使われ…

福永玄弥『性/生をめぐる闘争』とPetrus Liu “Queer Marxism in Two Chinas”

前回まで、ペトラス・リュー『二つの中国におけるクィア・マルクス主義』の第一章を紹介してきた。 Petrus Liu, (2015) “Queer Marxism in Two Chinas”, Durham, North Carolina: Duke University Press, https://www.dukeupress.edu/queer-marxism-in-two-c…

「選挙に行こう」と呼びかける時に考えるべきこと

先日、衆議院選挙が行われました。選挙前に政権交代の機運があり、関心の高い選挙という位置づけだったはずで、実際熱気を感じるところもありましたが、結局のところ投票率はさして高くありません。投票率の低さは「政治への無関心」の指標として捉えられる…