パレスチナ連帯のデモに行くと、「Queer Prism Flag」と呼ばれる以下の旗を見かけることがあるかもしれません。 この旗は、Hamed Sinnoというレバノン出身のアーティストが作成したものです(H Sinno | The queer prism flag as well as its vector files a…
色々な作品を批評していくシリーズ。今回は、たみふる『付き合ってあげてもいいかな』という、最近勧められて読んだ漫画について書いてみる。一部ネタバレを含むので、未読の方はお気をつけください。なお、私が批評記事を書く時の前提について、前の記事に…
今回は、『ユリイカ』の『鋼の錬金術師』完結記念特集(2010年12月号)より、早尾貴紀「『鋼の錬金術師』から読み解く国家と民族」を取り上げる。 私は読んだ漫画の数でいうと同世代の人と比べてかなり少ない。自分が読んだことのある「超人気作」は数少なく…
ここ最近は、週に一回ぐらいのペースでWikipediaの執筆に携わることができています。最近執筆した記事と、その時に私が使った参考文献をメモしておきます。 何春蕤 - Wikipedia(翻訳+加筆) 何春蕤 著、大橋史恵, 張瑋容 訳、舘かおる, 平野恵子 編『「性/…
好きな曲について自分が考えたことを書く記事のシリーズ。批評記事を書く前提については、前に書いたのでそちらも読んで欲しい→埋没しないマイノリティ〜the pillows「ストレンジカメレオン」 - 達而録 今回は、KASHIKOI ULYSSES(賢いユリシーズ)の「feeli…
いま、東京大の駒場キャンパスにて、パレスチナ連帯キャンプが行われています(私も少しだけ手伝いをしています)。そのキャンプから出された要求書が以下です。 【要求書】 (1/2) 本日5/6、東京大学に要求書を提出しました。 #utokyo4palestine #TKYU4pales…
先日、自分のアイデンティティを見つめ直す記事を書いて以来、昔好きだった曲や小説などに触れると、「なるほど、この作品のこういう部分が自分の琴線に触れていたのか」と改めて実感する機会が増えた。そういう作品に限らずとも、広い意味での批評を書いて…
先日、岡田索雲『ある人』の感想を書いた。単行本の『ようきなやつら』も買って読んだので、今日はこの本について考えたことを書いていきたい。短編集で、『東京鎖鎌』『忍耐サトリくん』『川血』『猫欠』『峯落』『追燈』『ようきなやつら』の全七作が収録…
前回の記事で少し触れた「ある人 / ある人 - 岡田索雲 | webアクション」を、何度も読み返して繰り返し感銘を受けている。多くの人に知って欲しい漫画家だと思ったので、詳しく感想を書いていく。 最初にこの作品の前半を読んだ段階では、「突然誰かとぶつか…
今回は、吉野靫『誰かの理想を生きられはしない―とり残された者のためのトランスジェンダー史―』(青土社、2020)について書いていく*1。この本の感想はいつかきちんと書きたいと思っていて、メモを取り始めたのはだいぶ前なのだが、完成までだいぶ時間がか…
Visual Studio Codeを使って論文を書くに当たって、私の分野の場合には、「旧字体⇔新字体」の変換ができると非常に有難い。pythonで開発された「kyujipy」をVS codeに組み込むことで、これを実現することができる。 kyujipy · PyPI pythonとkyujipyをセット…
最近、Visual Studio Codeを導入し、Markdown形式で論文を書き始めた。Git/GitHubと連携させているので、加筆した際の差分(Diff)を系統的に確認できることと、簡単にクラウド上にバックアップできるのが便利だ。 導入時点で大きく不満だったのが、デフォル…
前回の続き。フェミマガジン『エトセトラ』の「特集:男性学」号(vol.10)を読んでの感想を記す。今回は、特に仲芦達矢「ノイジー・マスキュリティ」を取り上げる。 前回、『エトセトラ』の「特集:男性学」号の全体について説明した。前回示した通り、全体…
遅れ馳せながら、フェミマガジン『エトセトラ』の「特集:男性学」号(vol.10)を読んだ。同誌はこれまでに「特集:くぐりぬけて見つけた場所」(vol.7)を読んだことがあって、とても面白かったのを覚えている。 今号も、掲載されている論考はどれもとても…
前回に引き続き、『交差するパレスチナ: 新たな連帯のために』(在日本韓国YMCA編集、新教出版社、2023)を読みます。今回は、第4章「パレスチナと性/生の政治」(保井啓志)の内容をメモしておきます。イスラエルによる、いわゆる「ピンクウォッシング」…
前回に引き続き、『交差するパレスチナ: 新たな連帯のために』(在日本韓国YMCA編集、新教出版社、2023)を読みます。今回は、第7章「ジェンタイル・シオニズムとパレスチナ解放神学」(役重善洋)の内容をメモしておきます。この章は、イスラエルによるパ…
『交差するパレスチナ: 新たな連帯のために』(在日本韓国YMCA編集、新教出版社、2023)を読みました。在日本韓国YMCAは、日本・韓国・在日朝鮮人を架橋する運動体であり、2006年からはパレスチナとの交流事業を継続してきました。 現在、イスラエルによるパ…
パンセクシュアルを名乗ること:前提 パンセクシュアルを名乗ること:過去 パンセクシュアルを名乗ること:未来 パンセクシュアルを名乗ること:文献・リンク集(今回) さて、昨日まで連続で更新してきた記事も、最初はいつもの記事のように、他人の文章を…
パンセクシュアルを名乗ること:前提 パンセクシュアルを名乗ること:過去 パンセクシュアルを名乗ること:未来(今回) パンセクシュアルを名乗ること:文献・リンク集 昨日の続き。自分がパンセクシュアルと名乗ることについて、もう一つ書ききれていない…
パンセクシュアルを名乗ること:前提 パンセクシュアルを名乗ること:過去(今回) パンセクシュアルを名乗ること:未来 パンセクシュアルを名乗ること:文献・リンク集 昨日の記事で、自分がパンセクシュアルであると名乗ることについて、その前提や意味を…
(今回)パンセクシュアルを名乗ること:前提 パンセクシュアルを名乗ること:過去 パンセクシュアルを名乗ること:未来 パンセクシュアルを名乗ること:文献・リンク集 今回からしばらくの間、自分のアイデンティティについて言語化するための記事を書いて…
今回は、藤高和輝「パスの現象学―トランスジェンダーと「眼差し」の問題」(『フェミニスト現象学』ナカニシヤ出版、2023)を取り上げます。「現象学」が冠される本を読むのは初めてでしたが、専門知識が無くても読めるように工夫されていて、私にも分かりや…
一か月ほどブログをお休みしている間に、色々と動きがありましたので、共有しておきます。吉田寮のことについては、これまで本ブログでもたびたび言及してきました→吉田寮 カテゴリーの記事一覧 - 達而録 以下、資料を列挙する形式で書いていきます。 2019年…
心身ともに余裕がなく、しばらくブログを更新できなさそうです。 のんびりお待ちください。 もしかしたら、少し形態を変えて、考えたことをつらつらと書き綴るタイプのブログとして再出発するかもしれません。 ではまた。 (棋客)
以前、『論語』の有名な一節「子在川上、曰、逝者如斯夫、不舍晝夜」(子川上に在り、曰く、逝く者は斯くの如きか、昼夜を舎かず)の解釈について、このブログでまとめたことがあります。 『論語』の「川上の嘆」の二つの解釈 - 達而録 要約すると、「川上の…
小林昌樹『調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』を読んで、国立国会図書館が「リサーチ・ナビ」という調べ方案内のページを作っていることを知りました。各分野の調べごとについて、最初の一歩の調べ方をまとめた便利なページです。 ざっく…
Diffの記事を書いたのでお知らせしておきます。 diff.wikimedia.org Diffとは、Wikimedia(Wikipediaを含む)に関連する記事を掲載するメディアです。 私はWikipediaの編集に継続的に取り組んでおり、Wikipedia関係の記事はDiffにアップしていこうと思います…
光本順「クィア考古学の可能性」(『論叢クィア』第2号、2009)を読みました。一つの学問の指針を知ることができるよい論文でした。簡単にまとめておきます。 「クィア考古学」とは耳慣れない言葉かもしれませんが、第三波フェミニズムを受けてフェミニスト…
いつの間にやら「2024年」になりました。びっくりです。 去年の記事を見返していましたが、中国古典関連の記事はなんと半分以下で、自分の興味関心の移り変わりを見ることができて面白いですね。テーマを限定してブログを続けるのは私には難しそうですので、…
ものすごく久々にWikipediaを色々更新しました。知り合いのWikipedianたちにマレーシア関連の記事の執筆をする交流会に誘ってもらったのがきっかけです。 セクシュアリティ・ムルデカ英語版を翻訳して、日本語文献から色々補強しました。これが再開のきっか…